TRANSPORT トランスポート FETCHING CODY

2005年 外国映画 4ツ星 タイムトラベル

低予算でも十分なおもしろさ

あらすじ

町のチンピラ・アートは、ある夜、恋人・コーディが意識を失っていることに気づく。病院に運んだところ、薬物の過剰摂取による昏睡と判明した。彼女を救う手立てを探していたアートは、浮浪者からタイムマシンを紹介される。それは電飾が点いたリクライニングシートだが、本物だった。アートは過去に遡って、コーディを不幸にした要因を取り除いていく。

これほどふざけたタイムマシンもない。それでもストーリーの要請に応えている。なんだ、こんなんでよかったのか。映画の可能性を見たような気分だ。

中盤あたりで、コーディを救うために必要な行動は予測できた。問題はその代償だ。アートは、そうなることを知っててやったのか、知らずにやってしまったのか。結果は同じでも、意味は異なる。映画の根幹をなす部分がうまく描けていなかったのは残念だ。

すべてはアートの妄想という解釈もできる。冷静に考えれば、リクライニングシートでタイムトラベルできるはずがない。なにもできないアートが見る夢とすれば、皮肉なストーリーになる。が、それは私の思い過ごしだった。

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