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[レビュー2010年07月18日に発表された 

龍馬伝 SEASON3 RYOMA THE NAVIGATOR (#29-38)

Ryomaden: Season3 RYOMA THE NAVIGATOR

商売が足りんぜよ

物語も佳境に入り、これまでと違った(キレのある)龍馬が見られると期待したが、肩すかし。周囲が龍馬に信頼を寄せる理由がわからない。龍馬の情熱はわかるが、商売人の計算高さや、同時代人から抜きんでた国際人感覚は感じられない。みんなと同じ方向を向いている龍馬に魅力があろうはずもない。実際、第3部ラストでは舞台から落ちそうになっている。どのへんがNAVIGATORなのか?

第3部のお気に入りは、いい人でない西郷吉之介(高橋克実)。従来の小説やマンガではあっという間に互いを信頼しあう西郷と龍馬だが、本作ではなかなか胸襟を開かない。いや、立場を考えるとむしろ当然か。比べると、やはり西郷の方が格上に見える。薩長同盟は龍馬オリジナルの戦略じゃないし、とどのつまり龍馬は西郷の手駒として奔走しただけ。龍馬は西郷の魂胆も、時代の趨勢も読み切れてない。
高杉晋作(伊勢谷友介)もかっこよかった。自己への強い自信、周囲を引っ張るカリスマ性、大胆不敵な行動力、先進性と柔軟な思考力......。伊勢谷さんが演じる坂本龍馬も見たかった。

音楽と映像の迫力にごまかされるが、演出は安っぽい。あるいは福山龍馬の演技がパターン化しているせいか。「みんなは未来が見えてない(自分は見えている)」という傲慢さ、幼稚さを感じてしまう。青春時代はそれでもよかったが、この段階では滑稽に見えてしまう。
第3部は岩崎弥太郎も株を下げた。そろそろ大人物に化ける予兆を見せてほしい。

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