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[レビュー1982年05月28日に発表された 

ロッキー3

Rocky III

例によって煮え切らないロッキー

ロッキーは野獣のような挑戦者に敗北し、ミッキーとも死別する。どん底に落ちたロッキーに手を差し伸べたは、宿敵アポロだった。しかしアポロが面倒みてもロッキーは着火しない。このときのアポロの心中を思うと切なくなる。

そんなロッキーを鼓舞したのは、やはりエイドリアンだった。おなじみのパターンなんだけど、メッセージが異なる。1作目2作目は、エイドリアンに捧げた試合だだった。裏を返せば、ロッキーは勝利にも王座にも興味がなく、ただエイドリアンのために戦ってきたわけだ。しかしそれでは駄目だと、エイドリアンは叱咤する。ボクサーたるもの、自分のために戦え。このときの切り替えが、『ロッキー・ザ・ファイナル』(2006)に効いてくる。
しかし強烈なのはそこだけ。練習、試合、勝利はいつもどおり。まぁ、ロッキーに対戦者の分析や、頭脳戦をやってほしいわけじゃないから、これはこれでいいんだけど、直球すぎる。また直球すぎるため、メッセージがわかりにくくなっている。

挑戦者も野獣そのものすぎて、魅力がない。映画の構成上、敗北した挑戦者のその後は描かれないのだが、どうなったんだろう? 彼が、アポロと異なるところも描いてほしかった。

そう、アポロだ。アポロの望みは、強くなったロッキーと再戦することだった。挑戦者に負けるような、弱いロッキーに勝っても意味がない。勝つためではなく、納得するために戦いたい。アポロはそんな思いを秘めて、ロッキーを鍛えていたのか。しびれる。
3作目も好きなんだけど、もっとアポロを見せてほしかった。

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