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[レビュー2010年05月15日に発表された 

パーマネント野ばら

Permanent Nobara

「私、狂ってる?」

淡々と描かれる寂れた港町の日常。かしましい女たち、奇行に走る男たち。どのくらいデフォルメされているのだろう? 現実とは思いたくないほど下品で、異常だ。山奥に住む汚い高齢者って、実在するんだろうか?

このまま終わるのかと思ったら、最後にひっくり返された。唯一の常識人と思われたなおこは、じつは心を病んでいた。それより問題は、それが公然の秘密になっていたことだ。事情を知らない旅館はなおこを不安にさせたが、町の人たちは調子を合わせ、なおこの「デート」の邪魔しないように──夢から醒めないように、気を遣っていた。

それは、優しさなんだろうか? 現実に行き当たってしまったなおこは、なにを思うのか? ふたたび夢を見るのか、それとも?
一気に吹き出す疑問をよそに、映画はしれっと幕を下ろす。ひどいと思うが、解決策がない問題はフタをするのが、本作で描かれた現実だった。

ふるさとは遠きにありて思うもの。ふるさとのやさしさは魔性かもしれない。

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