俺の妹がこんなに可愛いわけがない TRUE ROUTE (12'-15') Ore no Imouto ga Konna ni Kawaii Wake ga Nai [TRUE ROUTE]

2011年 アニメ 3ツ星 学校 恋愛 日常を描く

踏み込まない「TRUE ROUTE」なんて!

テレビ放送の最終回とは別のエンディングがあると聞いたときの興奮は大きかった。見てみると、桐乃がいなくなって、黒猫と京介が急接近。なんと自然な流れ! なんと眩しい青春! まぁ、現実に黒猫がいたら、その魅力に気づかないかもしれないが......。
そして想像する。このまま黒猫が京介に告白したらどうなるか? 桐乃は恋人のいる兄(京介)を受け入れられるか? そして兄の恋人になった友人(黒猫)と、どう接するか? あいまいな関係を維持してきた幼なじみ(麻奈実)は、どう反応する? なにより、他者に心をゆだねた黒猫を見てみたい!

期待に胸がはち切れそうになるが、修羅場を回避するようなエンディングにがっかり。結局、元の鞘に戻っただけ? これじゃENDどころか、STARTにもなってない。みんなが少しずつ遠慮している。若いから時間がたっぷりあるんだろうけど、色恋の決着は早いほうがいいぞ。

たとえば黒猫と京介が恋仲になるとか、桐乃が一線を越えようとして京介が態度を硬化させるとか、そんな一撃がほしかった。そんなクリフハンガーな終わり方は観客としては困るけど、商売としてはアリじゃない。それで第2期が作られれば万々歳だ。なければないで、同人界が活性化する。きれいに終わってほしい反面、まとまりすぎてもツマラナイ。
いや、ちょっと違う。TRUE ROUTEはふつうの学園恋愛ドラマであって、本作の主題たる「オタクの現実」から乖離しすぎている。それでも桐乃の主観に踏み込むなら許せるが、これじゃ中途半端だ。ストーリーよりキャラクターを描くことを優先してしまうのは、まぁ、昨今のアニメではよくある話か。

黒猫はかわいかった。ドラマも悪くない。ただ、「TRUE ROUTE」の名に値するものではなかった。

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