4ツ星

状況設定にたよりすぎ

あらすじ

近未来。サムは月面でヘリウム3を発掘し、地球に送る仕事に従事していた。契約期間は3年。話し相手はロボット「ガーティ」だけ。衛星の故障で地球との交信もできず、孤独に耐える日々がつづいていた。
契約期間もあと2週間で終わるというとき、サムは事故を起こしてしまう。気がつくと、自分そっくりの男が基地内にいた。

予告編を見たときは、ぶるるっと胴震いした。月面の掘削基地に、A.I.と2人きり。SFファンなら、たまらない状況設定だろう。ミニチュアによる特撮もむしろ新鮮だった。こんなSF映画を見たかった。

しかし大きな期待に応えてくれたとはいいがたい。全体的に説明不足で、疑問点が多いのだ。これほど高性能なA.I.があるのに、なぜ人間の作業者が必要なのか? 秘密裏にクローニングで量産しなければならないほど、サムのスキルは稀少なのか? A.I.はなぜサムに味方するのか? 地球のエネルギー供給を担うプロジェクトが、こんな簡単にひっくり返せるのか?
サムが幻覚に悩まされる演出もいらないだろう。あれのおかげで混乱してしまった。

「なにが起こっているか?(=状況設定)」より、「これからどうするか?(人間の決断)」の方が重要だろう。サムにはどんな選択肢があって、どんな取捨選択をしたのか? そこを掘り下げなければ、この舞台に価値はない。好意的に解釈すれば、ストーリーに破綻はない。しかしそのためには、相応のSFマインドが必要だ。万人向けに仕上がっていないのは残念でならない。
余談だが、本作のストーリーは『アステロイド・マイナーズ』(あさりよしとお著)にそっくりなんだけど、なんか関連はあるのかな?

妄想リメイク

私が期待したストーリーをまとめてみた。ロボットの論理を交えてみた。ぜひ読んでほしい。

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月に囚われた男