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[レビュー1997年11月21日に発表された 

アナスタシア

Anastasia

ラスプーチンの存在意義は?

ディズニー映画と思っていたが、20世紀フォックスが制作した初のアニメ映画だった。ロシア革命を怪僧ラスプーチンの呪いのせいにしたり、社会主義国家の樹立や世界大戦の気配に言及しないなど、現実の生々しさをうまく消している。ここまでやるなら、いっそ架空の王朝、架空の人物でよかったような。まぁ、実在の人物をモチーフにしているところも魅力なので、難しいところか。

残念なのはラスプーチン。ディミトリの野心とアナスタシアの純粋さだけで物語が成り立ってしまうから、存在意義がなさすぎる。アナスタシアの記憶を奪うとか、皇太后を惑わすとか、なんらかの関与がほしかった。

それと皇太后の心中が気になる。あれほど探していたアナスタシアを、なぜ手放したのか? ただ娘が自立する話じゃない。ロマノフ王朝が完全に途絶えるかどうかの瀬戸際だったのだ。
うがった見方をすれば、皇太后はロマノフ王朝を継ぐ器として、アナスタシアを探していたとも言える。それはカネ目当ての偽アナスタシアと大差ない。しかし、そうではなかった。アナスタシアはともかく、皇太后さえ、ロマノフ王朝には執着を示さなかった。皇太后がどうして王朝の滅亡を受け入れられたのか、そこが気になってしまった。

プリンセスが王冠を捨てる話はディズニーにもあるが、王朝を途絶えさせたプリンセスは珍しいかもしれない。

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