レビュー  1966年06月02日  に発表された 

現代の主役 ウルトラQのおやじ
Ultra Q's Dad

3ツ星

実相寺レンズ越しに見る特撮の神さま

1966年に放送されていたドキュメンタリー番組「現代の主役」において、円谷英二監督が取り上げられた回。実相寺昭雄が演出したことで、まるで夢のような独特の雰囲気に仕上がっている。

正直、かなり聞き取りにくい。声が低く、抑揚がない。おまけに犬が吠えるような生活音も混じってる。しかし異様な長回しと、物陰からのぞき見るようなアングルで、その場で耳をそばだてているような気持ちになる。「ウルトラQ」にも通じる暗さ、不条理さ、虚ろさがたまらない。

M1号とラゴンが怪獣の将来について、円谷監督にインタビューするという趣向はおもしろかった。円谷監督はなんの気負いもなく、蕩々と信念を語る。やはり聞き取りにくいが、その佇まいから、なんとなく円谷監督の深さを知ったように思う。大人物とか、好々爺という意味ではない。彼は、奇人だ。
私はウルトラマンから円谷プロを知ったので、円谷監督は遠い人だった。この番組は、円谷監督の人となりを垣間見せてくれる。資料的な価値はわからないが、雰囲気だけで伝わるものがある。「ウルトラQ」が好きな人は見て損はないだろう。

最後に流れた手描きのテロップがよかったので、書き写しておく。

円谷さんは
あとひと月ほどで
65才を迎える

しかしなお
円谷さんは
くりかえしのきかない
本番一回だけの
危険にみちあふれた
特撮シーンに
自分を賭けている
青春こそ
本来くりかえしの
きかない
危険にみちあふれた
ものでは
なかったろうか

円谷さんは
今日も生き生きと
存在している

ウルトラQのおやじ
として


 Googleで「現代の主役 ウルトラQのおやじ」を検索する
 Wikipediaで「現代の主役 ウルトラQのおやじ」を検索する
 IMDBで「Ultra Q's Dad」検索する

コメント (Facebook)

[ASIN] B004UD3U6E
思考回廊 レビュー
現代の主役 ウルトラQのおやじ