レビュー  1956年06月27日  に発表された 

白鯨
Moby Dick

3ツ星

正常と異常の区別がつかない

狂気じみた執念で白鯨(モービー・ディック)を追うエイハブ船長を、船員たちはどう思っていたのだろう? エイハブ船長が魔性のカリスマ性で人心掌握しているのか、船の上では船長に逆らえないのか、双方ともにおかしくなっているのか。彼らは捕鯨船の乗組員であり、モービー・ディックを追うことをエイハブ船長に誓っている。だから、命令に従うのは当然と言えば当然か? 19世紀の捕鯨船という状況が特殊すぎて、よくわからない。
本来なら、主人公であるイシュメール(リチャード・ベースハート)が常識人としてエイハブ船長を観察すべきなんだけど、中盤以降はエイハブ船長に圧倒され、主体性がなくなってしまう。銛突きの友人・クイークェグもおかしなことを言い出すし、戸惑うばかりだ。

エイハブ船長は、モービー・ディックとの戦いの中で壮絶な死を遂げる。しかし船は沈没し、イシュメール以外の船員は海の藻屑となる。かわいそうな船員たち。これが、成り行きに身を任せた結果か。

エイハブ船長は熱演しているが、イシュメールの存在感が稀薄すぎた。そのため、映画そのものが漂流してしまった感じがする。

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白鯨