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[レビュー2001年12月03日に発表された 

るろうに剣心 星霜編 (全2話)

Samurai X: Reflection

どんだけ悲劇が好きなんだ!!!!

きれいに終わった原作ラストを、わざわざ悲劇に書き換えたもう1つの最終回。「薫の回想」と「明治26年の物語」の2つに分けられるのだが、「明治26年の物語」があまりに重い。脚本を書いた人に、「そんなにハッピーエンドがきらいか?」と訊いてみたくなる。
だが、決して駄目ではない。剣心が「おろ?」とトボけるほど明るくなかったら、この展開もあり得ただろう。なにより、薫のひたむきな愛情に感動を禁じ得ない。悲劇を好むわけではないが、これはこれでよい。

ファンなら知っていることは時間をかけて回想するが、新しいドラマパートは驚くほど説明が少ない。明治政府は剣心になにを期待したのか? 剣心はどんな働きをしたのか? いつ性病に冒されたのか? 左之助はなにをしているのか? 幸せになる道は残されていなかったのか、考えてしまう。まぁ、「こうするしかなかった」と説得されても嬉しくないから、このくらいでいいのかもしれない。
はじめて見たときは、薫視点の回想編が釣り合ってないと思った。ばっさりカットすれば、「明治26年の物語」をもっと展開できただろうに。しかし薫の気持ちを細かく積み重ねたからこそ、結末が活きてくる。そもそも非戦闘員の女性が、任務の詳細を知るのもおかしい。なにも知らされずとも、夫の帰りを待つ。いっしょに戦うことはできないから、せめて同じ苦しみを身に受けたい。薫の思いが切なすぎる。

明治26年。力をつけた明治政府は、日清・日露戦争で世界に躍り出る。剣路はどんな人生を送ったのだろう。物語は受け継がれていき、現代の私たちがいる。そう思うと、感慨深い作品だった。


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