ATOM (CG映画) Astro Boy

2009年 外国映画 2ツ星 ロボット:自律型 主人公は子ども @手塚治虫

「テクノロジーを甘く見るな!」

アトムの髪型を見事に立体化している。人物、ロボット、町並みの映像クオリティは高い。だけどストーリーはひどい。

上層都市と下層スラムの対立はどうなった? 子育てから勤労までロボットにゆだね、かつ使い捨てにする文化の是非は? ロボットに人の心を持たせた罪はないのか? 「居場所を探せ」とロボットに命じる意味を考えたことはあるか? ロボット相互にのみ発生する共感(通信?)や、ロボットが革命を起こす可能性、ロボット同士を戦わせる娯楽の是非、ブルーコアによって起動したロボットが三原則を失う問題、レッドコアとの対消滅、ロボットを友だちや息子と認める倫理的課題・・・。全部、投げっぱなしだ。
考えがあって引用したのではなく、よくある要素を適当に放り込んだだけ。その姿勢は許しがたい。

アトムがブルーコアの光でZOGを起動させたシーンを見て、これはSFではなくファンタジーと悟ったが、それでもイライラは収まらなかった。
テクノロジーだけでおもしろい映画は作れない。そういうことだ。

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