ゾンビコップ Dead Heat

1988年 外国映画 4ツ星 モンスター:ゾンビ 刑事・警察

善良なゾンビ

ゾンビになった刑事が悪党どもをやっつける映画。死なないゾンビ同士の銃撃戦はおもしろいが、手足がちぎれるような特撮はない。ストーリーの展開もカメラワークもギャグも、練り込み不足は否めない。

本作のゾンビは理性が残っていて、感染もしないが、12時間で崩壊する。この時間制限が秀逸で、刑事たちを前進させる動機となり、ボロボロになっても戦う姿を崇高に見せている。彼らが不死だったら、ややこしい事態になっただろう。より悲惨な結末を見たい人は、『ゾンビ処刑人』(2009)をオススメする。

死体蘇生の技術を得た男が、はじめは犯罪者の遺体に強盗させ、次いで金持ちに不死を売ろうとする発想もいい。金持ちたちが買うかどうかも明らかにしてほしかった。情報提供者の美女(リンゼイ・フロスト)がゾンビで、時間切れで崩壊するシーンは強烈。もし崩壊を延長する薬があったら、ゾンビを支配できるだろう。『デッドライジング2』(2010)を思い出した。

いろいろ転がせるネタを、あっさり終わらせてしまった。もったいないような、これはこれでいいような。「善良なゾンビ」という切り口は珍しく、よかったと思う。

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