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[レビュー2009年10月06日に発表された 

君に届け(第1期・全25話)

アニメで描く現実の恋

実写映画『君に届け』(2010)がよかったので、テレビシリーズも見ることにした。当初はそれほど期待していなかった。二次元の爽子は美少女だし、能登さんの声もあざといと思ったからだ。ストーリーも知っているから、まぁ、片手間に見ようと思っていたが、回が進むについれて目が離せなくなった。
映画で省かれた部分がていねいに描かれ、キャラクターの深く共感できる。絵柄や音楽、声優さんの演技も控えめで、高校生らしさが感じられる。アニメは極端なもの──美少女とか、超能力とかを描くのに適しているため、こういう実写ドラマで再現できそうな物語を表現するのは難しい。しかし本作はスマートにやり遂げている。よいセンスだ。

くるみちゃんの印象がだいぶ上書きされてしまった。映画でも十分魅力的だったけど、アニメに比べると駆け足だったことがわかる。平野綾の声もぴったり。くるみは、爽子とはちがった意味で純粋だから、神様の視点で俯瞰すると胸に響くものがある。現実でいけ好かない女の子たちも、見方を変えるとかわいくなるんだろうか。

結局、爽子と風早は互いの気持ちを伝えずに物語は終わる。なんとも中途半端だが、1年を振り返ったときの多幸感は半端ない。人は見かけによらない。触れてみないとわからないことは多い。なんだか泣きたくなってしまった。
ストーリーがわかっているのに、なお感動するとは思わなかった。

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