4ツ星

メリダではなく、母親の成長を描いた物語

ファンタジーの定石を外し、迷走しているようにしか見えないのに、不思議とおもしろい。譜面のない即興演奏のようだ。

メリダは結婚をいやがるが、ほかに好きな人がいるわけじゃない。候補者の人柄も見ていない。候補者たちもメリダを見ていない。大衆の面前で恥をかかされても、まったく反応しない。じつにもどかしい。
母親が熱心に結婚をすすめる理由が、ただ伝統と言うだけじゃ弱い。母親も最初はいやがったけど、結婚したら素敵な人だったなら、そう言うべき。もろもろ言葉が足りない。
この物語の本質は「結婚」じゃなく、「母と娘の確執」だった。鬼火の導きも、モルデューの呪いも、視覚的に目をひくメリダの髪や弓も関係ない。こんなに散漫なのにおもしろいのは、映像の迫力か。

映像はすごい。ちぢれた髪、熊の巨体、鮭の張り、濡れた岩肌......。緻密なのに、不気味の谷に堕ちてない。CGはここまで表現できるようになったのか。

個人的には、石碑を修復してモルデューの魂を救ってほしかった。しかし特典映像「モルデューの伝説」を見ると、同情心も薄れた。これはこれでいいのか。

 Googleで「メリダとおそろしの森」を検索する
 Wikipediaで「メリダとおそろしの森」を検索する
 IMDBで「Brave」検索する

コメント (Facebook)

[ASIN] B005MH1KNM
思考回廊 レビュー
メリダとおそろしの森