プリンス・オブ・ペルシャ / 時間の砂 Prince of Persia: The Sands of Time

3ツ星

ゲームと思っちゃ駄目！

傑作ゲームの映画化。舞台がペルシャっぽいことをのぞけば、原作の面影はまったくない。忠実な映画化なんて期待してなかったが、ここまで無視されるとは思わなかった。

マジックアイテム《時間の砂》が出てきたときは、ぐぐぐっと期待感が高まった。なるほどゲームのリトライは経験情報を保持した時間逆行みたいなものだ。このアイテムを駆使してトラップをかいくぐれば、ゲーム的な展開になるぞ！
が......、アイテムはさほど使われず、よくあるアクション映画になってしまった。なんじゃ、そりゃ。あらゆる罠に引っかかり、それでも死なない主人公は、《時間の砂》以上に魔法だった。

予想とは違ったが、駄目というわけじゃない。ラストは驚いたし、おもしろかった。ただそこに至る道筋が、いわゆるゲーム的じゃなかったことが残念だ。なまじ《時間の砂》なんか出すから、期待しちゃったじゃないか。

本筋には関係ないが、武器製造の嫌疑をかけてペルシャ軍が侵略したのは、イラク戦争を皮肉っているのだろうか？　リアルと言えばリアルだが、ファンタジー映画にそんなリアリティは不似合いだと思う。