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[レビュー2011年06月09日に発表された 

シャドウズ・ゲート

Neverlost

練り込み不足では?

あらすじ

ジョシュは最愛の女性ケイトを火災で喪った。放火したのはケイトを溺愛する父親で、逮捕され、刑務所に送られた。
時が経ち、ジョシュは別の女性と結婚するが、ケイトを忘れられず不眠症になる。ジョシュは知人に紹介された医者から開発中の睡眠薬を処方され、それを飲むと「ケイトが生きている別世界」の夢を見るようになった。夢の世界では過眠症になった自分をケイトが介護していた。
夢の世界は幸福だが、現実のジョシュは生活に困窮し、悪妻になじられる日々だった。ジョシュは薬の量を増やし、夢の世界に依存していく。

[ネタバレ]

医者に処方を断られたジョシュは生活が荒れ、大量の薬を盗んでしまう。夢を愉しんでいると、妻が邪魔をするので殴って追い出す。すると妻の愛人が乗り込んできて暴行を受ける、逆に殺してしまった。
夢の世界で、ケイトを殺した父親(義父)が訪ねてきた。殺意をおぼえるが、この世界で罪を犯してないため躊躇する。しかし不意を突かれたジョシュは拘束され、義父に殺されそうになる。義父は、自分の母親に横恋慕しており、その代償としてケイトを溺愛していた。さらに夢の世界の両親を殺したのも義父だった。隠れて話を聞いていたケイトは父親と決別。混乱の中、ケイトの父親は死に、ジョシュは重傷を負った。
目が覚めると、ジョシュは逮捕され、裁判を受けていた。悪妻の荒唐無稽な証言により、ジョシュは有罪となり、あろうことかケイトを殺した父親と同じ刑務所に収監される。一年後、ジョシュは首を吊った。
夢の世界では、ジョシュの死に絶望したケイトは飛び降り自殺した。

「現実そっくりの夢を見る薬」というのは、魅力的なアイテムだ。見ているのは夢なのか、異世界なのか? どっちが現実なのか? なぜ幸福な夢を選んではいけないのか? これだけで一話完結型のドラマシリーズが作れそう。しかし映画は薬そのものに注目せず、ひたすらジョシュの妄想と悲劇ばかり描いていく。構図が見えた時点で強調演出は不要であり、かなり退屈だった。

終盤、物語は一気呵成に展開するが、ジョシュ主観視点であるべき夢にケイトの活躍があって、もはや別世界の冒険となる。ケイトの父親の告白も、じつはジョシュの思い込みという可能性もあるが、映画は真実として描いてしまった。監督は、夢と現実の区別がついていないのか?
そして救いのないラスト。ジョシュは、愛した女性が幸福になる夢さえ見られないのか。

ケイトが、「これは夢で、本当の私は死んでいるから、あなたは現実を生きて」と言ってきたら、おもしろくなっただろうな。

ところで「シャドウズ・ゲート」ってなんだ? こんなタイトルじゃ内容を想像できない。いろいろ物足りない一本だった。

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