レビュー  2011年12月23日  に発表された 

聯合艦隊司令長官 山本五十六 太平洋戦争70年目の真実
Isoroku Yamamoto, the Commander-in-Chief of the Combined Fleet

3ツ星

ドラマと特撮の乖離が惜しい

CGで再現された戦時下の情景や、艦隊戦の迫力に驚かされる。ここまで描写できるようになったのか。まるでタイムスリップして撮影してきたようだ。CG映画特有の激しいカメラワークもなく、没入感は高かった。
しかし人間が登場するドラマパートは画面が切り替わるため、同じ場所にいるように見えない。大きなもの(戦艦や建物)と人間が同時に映るシーンが少ないためだ。このあたりは怪獣映画の方がうまい。ドラマパートと特撮パートが乖離しているのは惜しまれる。

ストーリーはおもしろいが、情報量が多すぎる。まぁ、2時間枠に収めなければならないのだから、仕方ないといえば仕方ない。人物や艦船の名前をテロップ表示してくれれば、わかりやすくなっただろう。

山本五十六は魅力的なキャラクターだった。政治的な駆け引きはいっさいしない。部下を怒鳴ることもない。できなければできないで、その状況に応じた策を考える。発狂したくなるような状況で、尋常ならざる精神力だ。
ただ、彼のエピソードを知らない人が見たら、感情の起伏がなさ過ぎることに戸惑うかもしれない。決してクチにはしないけど、本当は怒っていて、苦しんでいて、悲しんでいることは、どこかで表現してほしかったかな。

おもしろかったのは、大衆や軍部をあおるマスコミの姿を描いたところ。マスコミは開戦の責任を政治家や軍人に求めるが、彼ら自身に罪がなかったとは思えない。開戦前は警告を無視し、戦時下は真実を隠し、敗戦後は主張を翻して生き残ったマスコミたち。宗像景清(香川照之)と真藤利一(玉木宏)は架空のキャラなのだから、日本を壊滅させた責任について言及すべきだった。いや、そこを語れないところがリアルといえばリアルか。

演出面は弱かったが、映像とストーリーは素晴らしかった。できればテレビドラマ化してほしい。

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