猿の惑星:創世記 Rise of the Planet of the Apes

2011年 外国映画 4ツ星 SF:新人類

新たな神話のはじまり

『PLANET OF THE APES/猿の惑星』(2001)があんまりな出来だったので、今作への期待は低かったが、おもしろかった。まず映像に衝撃を受ける。サルの動きや表情がこれほどリアルに表現できるとは! テンポもいい。

マルフォイの虐待は許せないが、だからといって人間社会に反旗を翻すのは強引な感じがする。とはいえ人間も凶悪なクマが出たら、すべてのクマを根絶やしにしようとするだろう。異種族から見れば、個人と社会を区別できないのも当然か。
あるいは、知能がもたらした弊害かもしれない。知能が高まれば、自分で自分のことを決めたくなるし、不条理への怒りもわく。高い知能をもったことで、シーザーは従順なペットで入られなくなった。シリーズ全体に通じるテーマなので、強調してほしかった。

エンディングのパンデミックを見ると、人間社会の脆さがうかがえる。隣人のパイロットは健康診断を受けるべき。飼育係も不用心すぎる。ジェネシス社も神経が通じてない。すべて、人間のエゴが招いたことだ。起こった出来事を「ありえない」と笑い飛ばせないリアリティがあった。
なお、登場人物の中でもっともエゴイスティックなのは、主人公・ウィルである。ウィルは学者として、やってはいけないことをした。インテリのくせして、自制心がなかった。最悪の結果は、善意によってもたらされるのだ。

希望を言えば、シーザーがウィルを殺すところを見たかった。シーザーがウィル個人を殺す理由はないが、象徴的なシーンになっただろう。反逆とはすなわち親殺しなのだから。

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