レビュー  2012年01月01日  に発表された 

ベルグレービアの醜聞 / SHERLOCK シャーロック(S2E1)
SHERLOCK - A Scandal in Belgravia

5ツ星

解いてはならないパズル

『シャーロック・ホームズ』(2009)のアイリーン・アドラーが吹き飛んでしまった。美しいだけじゃない。賢いだけじゃない。妖艶なだけじゃない。暴力を伴わないスパイアクションと見せかけて、じつは素敵なラブストーリーだった。

アイリーンは諜報の天才だが、目的が感じられない。情報があるから盗んだ。危険だったから保険をかけた。意味がわからないから解き方を考えてもらった。けっこう行き当たりばったりだ。しかし、それでいい。犯罪捜査の天才・シャーロックも、犯罪教唆の天才・モリアーティも、目的意識はない。ただ自分の能力を使う快感に酔っているだけだ。天才をつなぎ止めるものがないと、社会は混乱する。

一方で、目的をもつマイクロフトは憐れだ。解いてはならないパズルにも、彼なりの答えを出している。ただ頭がいいだけじゃ、責任ある立場になれない。彼はつながれている。
本作のシャーロックは振り回されてばかりだが、最後の巻き返しは痛快だ。シャーロックがアイリーンを救った理由は、もちろん愛だろうが、私は「謎を解いてしまった責任」もあったと思う。「解けるから解いた。あとは知らない」ではない。アイリーンにとっても、シャーロックは解いてはならないパズルだった。解いてしまったことで、ロックされる。これを愛と呼ばずになんと呼ぼう?


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ベルグレービアの醜聞 / SHERLOCK シャーロック(S2E1)