キャスパー Casper

1995年 外国映画 2ツ星 モンスター 幽霊 幽霊屋敷 @S.スピルバーグ

ゴーストが怖いよ

上映当時、私は24歳。CG映画として大々的に宣伝されたが、鑑賞したのは2015年。20年も経っちゃうと映像のインパクトはないが、それ以上に気になったのはストーリーや世界観だった。

性悪女キャリガンと、頼りない弁護士ディップス。亡き母の霊を追い求めるハーヴィ博士と、現実主義で寂しがり屋の娘キャット。友だちがほしいゴーストのキャスパーと、意地悪な3人のオジさん。キャラクター造形がうまい。テンポもいい。
しかしゴーストは怖い。本作のゴーストは人間の魂が変質したものだが、未知の独立種族のように描かれている。人間に興味を持ち、人間の意思決定に干渉してくる異種族と、果たして共存できるんだろうか? またキャリガンとハーヴィ博士があっさり死んでゴーストになったり、蘇生機で生きた人間に戻せるなんて展開を、子どもに見せて大丈夫だろうか? それこそハーヴィ博士のように、死者と決別できなくなってしまう。
ラスト、キャスパーはシンデレラのように時間限定で生前の姿を取り戻し、キャットと踊って、キスをする。感動的なシーンだが、キャスパーの言動が幼すぎて、これでいいのか疑問に思う。そもそも友だちはキスしないぞ。

まぁ、子ども向けの娯楽映画であれこれ考えるのもおかしいが、あれこれ考えず、「かわいい」「かなしい」と楽しむ人達もどうなのかなーって思ってしまうのだった。

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