レビュー  2012年07月07日  に発表された 

グスコーブドリの伝記 (杉井ギサブロー監督)
Guskou Budori no Denki | The Life of Guskou Budori

2ツ星

死に魅入られたブドリ

原作を大きく改変して、わけがわからなくなった劇場アニメ。最大の問題はネリが帰らなかったこと。そのためブドリは、「たくさんのブドリやネリ」を守るためではなく、ネリと会うために死んだように見える。そこには自分を育ててくれた人たちへの感謝も、大地への帰属意識もない。

ときおりブドリが現実を見失うのも危うい。なぜコトリが超越的存在に見えるのか? なぜ銀河ステーションや世界裁判長が出てくるのか? 飢饉の冬に食べた粉に麦角菌がついていたとしか思えない。

ブドリの瞳はガラス玉のように美しいが、なにを見ているのかわからない。ブドリは状況に流され、反射的に死んでしまったようだ。彼は本当に生きていたのか? イーハトーブの超未来的なイメージも、飢饉や犠牲を強いる火山爆発と食い違う。凌雲閣もぜんぜん必要ない。スタッフは原作を読まず、好き勝手に作業したのか? それとも監督が支離滅裂な指示を出したのか? はたまた制作会社の倒産で不本意な映画になったのか?

いずれにせよ、ひどい映画だった。
この映画を見て感動しちゃった人は、もう一度よく考えてほしい。ブドリは正しいことをしたわけじゃない。

妄想リメイク

私なりに翻案した動画を作ったので、よかったらどうぞ。

編集後記
 Googleで「グスコーブドリの伝記 」を検索する
 Wikipediaで「グスコーブドリの伝記 」を検索する
 IMDBで「Guskou Budori no Denki | The Life of Guskou Budori」検索する

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思考回廊 レビュー
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