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[レビュー2012年10月23日に発表された 

007(23) スカイフォール

007 / Skyfall

趣味は「復活」

かっこいいし、おもしろいんだけど、足りない。シルヴァの計略が大ざっぱすぎるのだ。諮問委員会の襲撃が目的なら、わざわざM16本部を移転させたり、囚われの身になる必要はない。あっちこっち逃げまわって、地下鉄の運行まで計算して、そのくせMを取り逃すのもお粗末すぎる。ボンドをおびき出す方法なんていくらもあるのに、屋敷に正面から乗り込むのも不自然。スケールが小さすぎる。

「裏切られたスパイの復讐」というプロットは好き。しかしボンドとシルヴァを分かつものがわからない。Mはボンドを有能な、しかし使い捨ての駒としか見ていない。シルヴァは納得できず、ボンドは納得したということか? ボンドは自分の意志で、国家に忠誠を誓っているのか? スパイである矜持を聞きたかった。まぁ、趣味が「復活(resurrection)」なら関係ないか?

さて、次はどんなボンド映画を見せてくれるのか。楽しみである。

妄想リメイク

 ボンドはついに、敵の首魁であるシルヴァと対面した。
 シルヴァはボンドの前任者(元007)だった。凄腕エージェントとして活躍したが、上層部(M)の判断で見捨てられた。使い捨てにされたシルヴァは、英国政府とMへの復讐を誓った。英国が混乱することで利益を得る連中が、資金援助してくれた。
 シルヴァは、同じく使い捨てにされたボンドに共感を示す。

「私たちは似た者同士だ。手を取り合わないか?」
「興味ない」
「きみに、自分の意志はないのか?
 もっと世界をよくしたいとか、悪くしたいと思わないのか?」
「興味ない」
「では趣味はあるかね?」
「復活」
「......ボンドくんは究極のマゾヒストだな」

 一瞬の隙を突いてボンドはシルヴァを拘束。衰えたボンドには不可能な動きに、シルヴァは面食らった。

「あのテスト結果はうそだ。Mと結託して偽情報を流したんだ。おまえを油断させるために」
「まだ使える道具だったのか。よかったね」

 シルヴァはM16新本部に移送された。Qがシルヴァのパソコンにハッキングすると、トラップが発動してM16のセキュリティシステムが乗っ取られた。M16のデータベースが流出しそうになるが、寸前でQが食い止める。シルヴァは逃走し、Mもさらわれた。
 視察に訪れていた政府高官たちは、熾烈なスパイの戦いに戦慄する。さいわい、データベースを開く「鍵(インデックス)」は奪われなかった。一週間、インデックスを守りきればシルヴァの計画は水泡に帰す。M救出はリスクが高い。Mを見捨てることが決定されるまえに、ボンドはインデックスを盗んで消えてしまった。

 シルヴァのような敵を相手にしては、インデックスをどこに隠しても守りきれない。ボンドが個人的に行動することで、機先を制することができる。意図を察したQとマロリーは協力した。

 スコットランドにある「スカイフォール」で、ボンドは敵を待ち受けた。激しい銃撃戦の末、ボンドはシルヴァを仕留める。インデックスを守り、奪われたHDDも回収したが、Mは凶弾に倒れた。Mはボンドに感謝しながら息を引き取った。

 後日、マロリーが後任のMとなり、M16は再スタートする。ふと、イヴがつぶやく。

「ねぇ、気づいてる? 一連の攻撃でMI6不要論は払拭されたわ。
 シルヴァを支援した組織も調べなくちゃいけないし、そのためには00要員が不可欠。
 あるいはこれは、シルヴァの恩返しだったのかも。
 いいえ、ひょっとしたらMも...」
「興味ない」

 ボンドは新しいMに呼び出される。

「さて007、やるべきことは多い 仕事に戻れるか?」
「喜んで、M」

(おわり)


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