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[レビュー1965年12月29日に発表された 

007(04) サンダーボール作戦

007 Thunderball

シリアスでも笑える王道スパイアクション

私が産まれる6年前の映画だが、ちゃんと見たのは43歳になってから。最新のスタイリッシュ映像に慣れた目で見ると、当時のアクションは固定カメラの前でどすん、ばたんと野暮ったい。しかし去り際に花を添えたり、ぶどうを1粒失敬するなど、チャーミングな仕草が映える。また手当たりしだいに美女を口説いておきながら、仕事が入ればポイ捨てしたり、銃弾を避ける盾に使ったりと、情愛に流されないところもクール。危機的状況でも慌てず、秘密兵器でちゃっかりクリア。ジェームズ・ボンドは独特の魅力にあふれている。

ストーリーもしっかりしている。スペクターが政府を脅迫する前からボンドを絡ませ、直感と調査によって原爆の位置を探っていく展開はよかった。まぁ、130分は長く、まるまるカットできそうなシーンが散見されるが、原爆や博士を置き去りにしたエンディングは鮮烈だった。

スペクターの会議が笑える。ボスは顔を隠して猫を撫でまわす。部下はバラバラの通貨で悪行を報告する。処刑された部下の死体は自動で処分される。これがギャグでないところが素晴らしい。
かたや00(ダブルオー)要員の会議では、ボンドは悠然と7番目の席に座り、自分だけ知る情報があっても発言しない。ほかの00要員は顔も声も伏せたまま。こちらもギャグでないところが素晴らしい。

シリアスとコミカルが渾然一体となった雰囲気は、狙って再現できそうにない。


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