The Long Dark (PC) The Long Dark
2017年 ゲーム 2ツ星 災害救助ストーリーがついて、むしろ落胆
1人称視点の雪山サバイバルゲーム。飛行機の墜落によって雪山に放り出された主人公は、物資を集め、穴に避難し、火を興し、食糧などを確保する。狼や熊といった野生動物との遭遇戦闘はあるが、ファンタジックなモンスターは存在しない。
右も左もわからない状態から、手探りでゲームの操作法、周辺環境、注意すべきパラメータと対処法を理解し、実行し、失敗し、工夫して、生活環境を整えていく。多くのサバイバルゲームがそうであるように、「The Long Dark」も最初の30分くらいは楽しい。3D空間のデフォルメ具合も悪くない。
しかし先がない。救助はいつまでも来ないし、脱出ルートも想像できない。解明すべきミステリーもない。そもそもストーリーがない。ただのサバイバル。だから飽きる。このゲームのプレイ時間とは、つまりプレイヤーが飽きるまでの時間だ。
2017年、ストーリーモードを実装した正式版が配信された。ちょこちょこイベントシーンがあって、雪山でNPCと遭遇し、会話して、お使いを果たすが、中途半端なところで終わる。どうやらエピソードはバラ売りらしい。さっぱり興味がわかない。
ストーリーがないときは、ストーリーさえあればと思ったが、これじゃダメだ。むしろ純粋なサバイバルでなくなったため、一部のサバイバルマニアも離れてしまうだろう。
「The Long Dark」、「The Wild Eight」、「Kholat 」と、2017年は雪山遭難がブームだったが、どの作品もクリア時のカタルシスがない。ゲーム開発そのものが遭難している。