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[レビュー2012年08月02日に発表された 

トータル・リコール (コリン・ファレル主演)

Total Recall

時代おくれのレトロフューチャー

空飛ぶ車がびゅんびゅん飛び交って、エレベーターが水平移動する未来社会なんて、イメージが古い。現在でさえ旅客輸送のニーズは減っているのに、ましてや資源が枯渇した時代の交通量じゃないだろう。『マイノリティ・リポート』(2002)とは状況がちがうはず。
労働者を監視するロボットを労働者に製造させるのも滑稽だ。そういう作業こそロボットにやらせるべきだろう。そうすれば労働者を輸送したり、監視する手間も省ける。なにやってんだか。
地球貫通エレベーター「フォール」はツッコミどころ満載だ。マントルやコアをぶちぬき、安定させる技術があったとしても、エレベーター内に空気を充填させるはずがない。自由落下中に重力があるのは噴飯物だ。これならテレポーターの方が説得力がある。

ストーリーはおおむね1990年版を手本にしているが、少しずつ劣化している。ローリーだけでなく、ハリーまで監視者だったのは理不尽だ。クエイドは夢だと思って撃ったのか、判然としない。ここからクエイドに感情移入できなくなってしまった。イギリスとオーストラリア以外は居住できないという設定なのに、マサイアスが外の世界に潜んでいたのも反則だ。1990年版のクワトーの潜伏先はいいアイデアだった。ラストもひどい。こんな安っぽい展開が許されるのか。もう言葉もない。

見るべきところがまったくないリメイクだった。

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