世にも奇妙な物語 2012 秋の特別編 Yonimo Kimyouna Monogatari: 2012 Autumn

2012年 日本ドラマ 2ツ星 #世にも奇妙な物語

例によって浅い

心霊アプリ (大島優子)

[あらすじ] 学習塾で事務員として働くサオリは、学生の間で流行っている「心霊アプリ」をスマートフォンにダウンロードする。このアプリで撮影すると心霊写真が合成されるのだ。気に入ったサオリはアプリで写真を撮りまくった。ある夜、アプリがバージョンアップされ、自分で撮影した写真を合成できるようになった。サオリは身近な人を撮って素材にするが、ほどなく撮影された人が変死するようになった。

[感想] スマートフォンを使ったのは新しいが、展開は使い古されたパターンどおり。「お友だちを招待しましょう」といった連鎖が出てくると思ったが、それもなかった。

来世不動産 (高橋克実)

[あらすじ] なにもない草原で目覚めた中年男。ぽつんと佇む建物に入ると、そこは次に生まれ変わる姿(来世の物件)を紹介する来世不動産だった。不動産屋が言うには、生前に積んだ善行と悪行の差し引き(ポイント)で、選べる来世が決まるという。中年男はそれほど善行を積んでいないため、選択肢はかぎられていた。
[原作] 升野英知「来世不動産」

[感想] シュールなオチがありそうで、なかった。中年男と不動産屋のとぼけた会話はおもしろかった。セミが鳴くのは「たまらなく気持ちいいから」という解釈は新鮮で、夏が来るたびに思い出すだろう。

蛇口 (伊藤英明)

[あらすじ] ユウイチは子どものころから奇妙な蛇口を見かけることがあった。それは身近な人に生命の危機が迫っているときに出現し、赤い液体が流れると死に、透明な液体なら生き残るようだ。
時は流れ、ユウイチは大人になった。結婚し、娘をもうけたが、あまり幸福ではなかった。妻の方が稼ぎが多かったため、立場が弱かったからだ。おまけに妻は浮気していた。憤慨したユウイチは、妻の殺害を計画する。
[原作] 小池真理子『蛇口』

[感想] 人の死期を予知する能力が、殺害計画にまったく活かされなかった。能力を活かそうとした形跡もない。なんというか、救われない、どうでもいいエピソードだった。

相席の恋人 (倉科カナ)

[あらすじ] スズは高校時代から付き合っている恋人との結婚を心待ちにしていた。ある日、いつも立ち寄る喫茶店で不思議な老人と出会う。老人は未来からやってきたスズの恋人であると言う。老人はたびたびスズの前に現れた。最初は訝しげだったスズも、柔和な人柄に触れて老人を信頼するようになった。スズはこれまで以上に現在の恋人に尽くすようになるが、ある日、唐突にふられてしまう。老人は、彼ではなかった。

[感想] よくある「時を超えた恋愛モノ」の1つ。喫茶店から人がいなくなる現象が、老人は特殊な存在であると証明しちゃっており、おもしろみを大きく損ねている。(頭のおかしな老人だろうけど、話を合わせておこう)くらいの気持ちで接する方がよかったのではないか。

ヘイトウイルス (草なぎ剛)

[あらすじ] 近未来、人類は憎悪の原因であるヘイトウイルスを発見し、その治療法を確立した。おかげで戦争はなくなったが、ヘイトウイルスは完全に駆除されておらず、たびたび感染者が暴力事件を起こしていた。感染者は施設に隔離され、ワクチンを投与される。ワクチンが効いていれば、加害者と被害者は互いを赦しあえるはずだ。
施設で働くサエキ先生も感染者だった。凶暴な若者に娘を殺され、その怒りで若者の母親を殺していた。ワクチンの投与によって冷静さを取り戻したサエキと加害者は、互いを赦しあっている。しかし加害者はサエキへの怨みを忘れておらず、今度はサエキの妻を殺害して逮捕された。サエキはヘイトウイルスに感染しないように注意するが、怒りを抑えきれなかった。
[原作] うめざわしゅん『ヘイトウイルス』

[感想] このエピソードでもっとも怖いのは、ワクチンが効かなかった場合に送られる「部屋」の存在だ。ヘイトウイルスの存在が疑問だった以上、人々は「部屋」に隔離されることを恐れ、自分の怒りを封じたことになる。その仕組みに、サエキが気づかなかったことに驚く。というか、破綻しまくっている。

世にも奇妙な物語
'90s
'00s
'10s
'20s
関連作品

ページ先頭へ