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[レビュー1973年12月01日に発表された 

修羅雪姫 (梶芽衣子)

Lady Snowblood

ただ斬りまくる、だけじゃない!

復讐を描いた物語はたくさんあるが、これほど美しく、切ない映画があっただろうか。雪は、母の怨念を背負ってきた。「死んでこの子に乗り移る」という母の遺言は、呪いのように彼女を支配した。あらゆる望み、喜びを捨て、復讐の刃と化した雪に、ためらいはない。命乞いしようが、自決しようが、ターゲットと自分のあいだになにがあろうと、容赦なく切り捨てる。そうまでして果たした復讐に、どんな意味があったのか。復讐のない人生を歩めるだろうか。
ラストで血まみれの雪を握りしめるシーンが胸に刺さる。雪もまた、惨劇の犠牲者だった。

舞い落ちる雪、紫の傘、血しぶきの赤。配色も完璧だ。ナレーションやセリフ回しも、わかりやすく、引き込まれる。芝居を見ているような感覚が新鮮だった。
おもしろかった。この映画を見たときにわき起こる興奮を、「おもしろかった」と言うのだろう。

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