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[レビュー2011年03月04日に発表された 

アジャストメント

The Adjustment Bureau

はっきりしない映画

あらすじ

最年少で下院議員となったデヴィッドは、上院議員選挙に挑むがスキャンダルで有権者の支持を失う。意気消沈したところ、快活な女性エリースとの出会いに励まされ、一念発起する。
デヴィッドはエリースを探し、見つけ、相思相愛になるが、「運命調整局」という連中から別れるように命じられる。彼らは人類の運命を管理・調整しており、デヴィッドとエリースの結婚は未来に悪影響を与えると言うのだ。

原作はP.K.ディックの短編小説。前述した物語の骨子は序盤で明かされるし、主人公が運命に逆らうことは当然の助動詞。しかしそれじゃ間がもたないから、主人公にいくつかの試練を与える。これはこれで上手で、最後まで飽きさせないが、終わってみれば短編小説分の要素しかないから、薄っぺらに感じてしまう。あるいは私がマッド・デュモンの「いい子ちゃんポジション」が気に入らないだけかもしれないが。

「運命調整局」の言い分がおもしろい。太古の昔から、神(に準じる存在)が人類を管理してきた。ほうっておくと人類は際限なく戦争して、滅びてしまう。明るい未来を築くためには、「運命調整局」による操作が不可欠なのだ。

そう言われたら、反論するのは難しい。彼らが超常的な能力を持っていることは明らかだから、主人公もいっときは身を引く。しかしこれは、「彼女を守るため」という側面もあるため、モヤッとした感じが残る。結局、主人公は最後まで人類を信じる、もしくは世界平和より愛を選ぶと明言しない。

結局、「運命調整局」が折れてハッピーエンドとなる。これもまた、操作された運命の一部という解釈を許すようになっているが、主人公は彼女しか見ておらず、大統領として人類を導く度量があるのか疑わしい。

そう言えば、なぜエリースが「運命調整極」に追われていたのだろう? なにかありそうに見えて、ただの女性だったのは拍子抜け。

結局、男も女も思慮が浅く、予想されたとおりの結末でしかなかった。

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