パッセンジャーズ Passengers

2008年 外国映画 2ツ星 ドラマ 記憶操作

前提が崩れていく

 美人セラピストが、飛行機墜落事故の生存者5名のカウンセリングを引き受ける。5名の記憶は食い違い、不審者が徘徊し、1人ずつ姿を消していく。航空会社が事故の真相を隠しているのか?

 アン・ハサウェイの飛び抜けた美貌が、研究一筋の博士という設定に合わない。それほどの博士が、いまさらカウンセリングでなにを得ようというのか? しかも初めてのカウンセリングで受け持つのが、世間を騒がせた墜落事故の生存者5名だって? おいおい大丈夫かよ?

 墜落事故の生存者たちはそろって無傷。まぁ、飛行機事故は0か1の世界かもしれないが、それにしたって奇妙に見える。まるで墜落現場にあとから駆けつけたようだ。この疑問は、映画のラストまでずっと引っかかってしまった。

 アン・ハサウェイはカウンセリング初体験でも、プロの自覚はあって、熱烈なモーションをかわしていく。でもまぁ、いずれ陥落するだろうと思っていたら、案の定だ。なにをどう言い訳しても、プロとして失格である。社会的信用も失った。がっかりだ。

 アン・ハサウェイは陰謀の気配を感じ取るが、消えた患者を探したり、警察に通報するわけでもない。目の前で1人の人間が消えても、次のシーンじゃ忘れてる。緊張感がない。
 航空会社がなにかを隠しているとして、患者を誘拐するのは不自然だ。患者が事故に関与して、偶然生き残ったなんて考えられない。確定した事実がないため、推理できない。

 もやもやしていたところで、どんでん返し。えー、そりゃないよー。つまり夢オチじゃん。これまで見てきた映画はなんだったのさ。

 一気に疲れた。これはちょっと、ひどいんでないかい?

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