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[レビュー2013年10月18日に発表された 

キャリー (リメイク)

Carrie

能力をコントロールしても駄目

場所やセリフはちがえど、オリジナル(1976)をそのまま再現している。決定的に異なるのは、キャリーが能力を肯定的に捉え、使いこなせるところ。クロエ・グレース・モレッツのキャリーは愛らしく、常識がある。ふつうになりたいと願う少女が、ふつうでないパワーでそれを成し遂げようとする皮肉が見られるかと思ったが、なかった。そしてクライマックスであるプロムの殺戮は、まったく印象が異なるものに仕上がっていた。

オリジナルのキャリーは心神喪失状態で暴走したが、リメイクのキャリーは意識的に殺している。クリスとビリーを追いかけ、車と力比べしたことからも、理性が残っていることは疑いようもない。意識があるなら、責任も問いたくなる。自分を笑いものにしたというだけで、その場にいた人間を皆殺しにするのは暴挙だろう。
また殺戮後、母親に泣きつくのも不可解だ。自分が母親になにをしたか、覚えていないのか? キャリーは愛らしく、常識があるように見えたが、そうではなかったようだ。別の意味で恐ろしい。

オリジナルは技術的な問題から、派手な超能力シーンは描けなかった。プロムの殺戮もあっさり終わる。しかしこれで正解だった。オリジナルのよさを再確認するリメイクだった。

ラストはやっぱり石の雨が降るが、やはり唐突だ。オリジナルのコメンタリーで、「キャリーは幼いころ、砂利の雨を降らせた」というシーンを追加したかったと言っていたが、なぜリメイクでそれを撮影しなかったのだろう? なんというか、よく考えずにリメイクしたような気がする。

キャリーのお母さんを演じるのはジュリアン・ムーア。『ハンニバル』(2001)のクラリスと思ってみると感慨深い。全体的に母親の印象が強すぎた。これもマイナスだ。

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