シドニアの騎士 (第1期-全12話) Knights of Sidonia

2014年 アニメ 5ツ星 SF SF:ファーストコンタクト クローン ロボット

おもしろい! しかし足りない!

あらすじ

1000年前──。謎の生命体・奇居子(ガウナ)によって太陽系が破壊された。ガウナとは対話できず、追い払うこともできないため、人類は500あまりの播種船で外宇宙に散っていった。
100年前──。播種船の1つ、シドニアにガウナが襲来。「カビ」と呼ばれる物質で討滅できることがわかったが、壊滅的な被害を受ける。このとき中央記憶の大半が失われ、過去の知識や技術を利用できなくなった。
現在──。シドニアはふたたびガウナと遭遇する。ガウナが1体でも侵入すればシドニアと人類は滅びる。絶対負けられない戦いに、若者たちが挑む。

宇宙での戦闘を描いた作品は数あれど、これほどスケール、緊張感ある作品もなかった。艦長や司令部の指示は的確だが、ガウナの進化は予想を超えるため、あらゆるものを犠牲にしてか細い勝利をつかむ。その駆け引きがたまらない。

理性的な軍隊が全力で戦う姿にしびれる。海苔夫や非武装主義者といったノイズが、物語の奥行きを深める。光合成したり、不老不死が確立されても、彼らは私たちと同じ人間なんだ。

状況が特殊なため、序盤は戸惑った。もうちょい整理してほしかったが、30分の連続テレビアニメだから仕方ないか。なので2度見ることをおすすめする。ユハタの真摯な感謝や、艦長が無言でうろたえる様子は、初見じゃ気づかなかった。

それから音響がいい! カビザシを掴んだときの音や、ヘイグス機関の加速音などは耳に残る。

ストーリーは駆け足で展開し、中途半端なところで終わる。なにこれ? パイロット・フィルムかよ!! 原作が連載中だから、大胆に再構成できなかったのか? 第2期を待つしかない。くやしい。

本作に刺激され、ハードSFが増えてくれるといいなぁ。


弐瓶 勉
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