レビュー  2014年02月12日  に発表された 

ロボコップ (リメイク/ジョゼ・パジーリャ監督)
RoboCop

3ツ星

SFマインドを外してくれた

シリーズ4作目にして、27年目のリブート。SF映画としては落第だが、ただのアクション映画として、そこそこ楽しめた。

ロボコップが投入される理由が「法規制をかいくぐるため」と言うのはおもしろい。オムニ社の幹部がそろって近視眼的なのも、ありそうで怖い。
そして、「警察官に人間性は必要か?」というテーマが投げかけられる。オムニ社の答えはノーで、マーフィの人間性を剥奪した。人間性がない方が有益な場面もあるだろうが、娯楽映画は人間賛歌で終わるべきだろう。では、どんな状況なら人間性の素晴らしさが証明されるだろう?

しかしデトロイト警察の仕事は見敵必殺(サーチ・アンド・デストロイ)に尽きるし、犯罪者に同情の余地はなかった。これならロボットで十分だ。

ロボコップは銀色になって、正義の象徴になったが、これこそが本当の目的であったような気がしてならない。それからマーフィ刑事は、「生きている」と言えるだろうか? 彼の頭蓋に脳が入っていなかったら? アシモフの描いたスティーブン=バイアリィを思い出す(われはロボット「災厄のとき」)。妄想が広がったので、自分なりにまとめてみた。

妄想リメイク
生前

近未来、デトロイト市警は凶悪犯罪の増加に悩まされていた。殉職率が高いため人手不足となり、ますます犯罪が野放しになる。待遇改善を求めるストが計画されたが、決行されれば都市機能が麻痺する。ストの計画さえも、犯罪組織の陰謀という噂もあった。
マーフィ刑事は堅物だったので、犯罪捜査のみに集中した。ストにも、警察署内での冷遇にも、上層部が不正を働いている可能性にも、ロボット警察官が投入される話にも、まったく興味を示さない。相棒のルイスは「ロボットのようだ」と呆れるが、ふたりは名コンビだった。
ある夜、ふたりは犯罪組織に殺される。情報が漏れていた。

復活

オムニ社はロボット兵士の開発で莫大な利益を上げていたが、アメリカ本土の配備は法規制によって封じられていた。そこで、人間とロボットを融合させたサイボーグ警官(=ロボコップ)を投入し、市民の嫌悪感を払拭しようと考える。
サイボーグ研究の権威、ノートン博士が招聘され、システムが完成する。しかし適合できたのはマーフィだけだった。ノートン博士は、最適な被験者が最適な状態で提供されることに不信感を抱く。
マーフィはロボコップとして復活した。ロボコップはデトロイトに試験配備され、凶悪犯を次々に逮捕した。人々はロボコップを町の守護神として歓迎した。

敗北

父の死を目撃した息子は、マーフィとロボコップが一致せず、怯えていた。悲しむマーフィを、妻クララが慰める。マーフィは犯罪捜査に没頭するが、不意を突かれて破壊された。マスコミはセンセーショナルに報じ、人間性が阻害要因になること、真の守護神はロボット兵士と訴えた。
市長が特例として許可すると、ロボット兵士はまたたく間に犯罪組織を制圧した。世論は法規制の撤廃に大きく傾いた。
しかし犯罪組織に武器を渡していたのはオムニ社だった。すべてはロボット兵士を売り込むためのプロモーションだったのだ。役目を終えたロボコップは廃棄されそうになるが、ノートン博士によって救出された。

怒り

マーフィは、自分が謀殺されたことを知る。被験者を求めたオムニ社と、買収できないマーフィ刑事を煙たがった警察が結託し、犯罪組織に情報を漏らしたのだ。怒り狂うマーフィが署長を追求する。署長はロボット兵器ED-209で対抗するが、制御不能になり、殺されてしまった。
ED-209には同僚ルイスの脳が埋め込まれていた。ルイスは復讐すべく、オムニ社に向かう。もはやマーフィの声も届かない。市民の犠牲者もたくさん出た。マーフィはED-209の破壊を決意する。

対決

火力、装甲、反射神経で劣るロボコップは苦戦するが、市民の協力を得てED-209の破壊に成功する。オムニ社のCEOが白々しい感謝を述べる。マーフィは殺意をおぼえるが、自分は刑事であると踏みとどまる。オムニ社の犯罪は、クララが仕込んだカメラに記録されており、幹部連中はのきなみ逮捕された。

後日談

法規制は撤廃されたが、さらなる議論が深まった。問題は人間かどうかではなく、信頼できるかどうかだ。どうすればマーフィ刑事のような「人物」を増やせるか。結論はまだ出ていない。
ロボコップが出動する。息子とも打ち解けたし、市民の信頼も得られた。ロボット犯罪はますます増えるだろう。街には守護神が必要なのだ。

今日もロボコップは街の平和を守っている。

秘密

ノートン博士は技術と人格が評価され、莫大な研究資金を得ていた。そこへクララが訪れ、真相を暴露する。
マーフィ刑事の脳は壊死していた。ロボコップの頭蓋に入っているのは、「自分はマーフィだ」と思い込んでいる陽電子脳だった。ノートン博士にとってこれは成功であり、サイボーグ(アップロード)技術は人類を変革させると信じていた。つねに真実を求めてきたクララだが、記録ディスクを破棄する。真相はどうあれ、マーフィは街に必要だ。それに脳がなくても、手のぬくもりで夫を感じられる。生きていたころより身近に感じる。それで十分だった。

今日もロボコップは街の平和を守っている。

 なんてのはどう?

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