ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2 Harry Potter and the Deathly Hallows PART2

2011年 外国映画 3ツ星 ファンタジー 主人公は子ども 学校

仕組まれたヒーロー

あらすじ

ニワトコの杖を手に入れたヴォルデモート卿は魔法界を支配し、ホグワーツ魔法学校に侵攻する。ホグワーツの先生たちは抵抗するが、多くの犠牲者が出る。ヴォルデモート卿はニワトコの杖を使ったが、うまく機能しない。ダンブルドアを殺害したスネイプがまだ生きているせいだと考えたヴォルデモート卿は、スネイプを殺す。
死に際のスネイプの涙から、ハリーはスネイプの記憶を知る。スネイプはハリーの母・リリーを愛していた。リリーがヴォルデモート卿に殺されたことを悔やんだスネイプは、ヴォルデモート卿の手下になりつつ、ダンブルドアと組んでハリーを助ける二重スパイだったのだ。
またハリーの身体にヴォルデモート卿の魂の一部が入っていることが明らかになる。ハリー・ポッターも分霊箱の1つだった。ハリーは自分が殺されることで「分霊箱の破壊」を為そうとする。
総力戦の中、最後の分霊箱(蛇のナギニ)が破壊される。もはやヴォルデモートは不死身ではなくなった。またドラコがニワトコの杖の忠誠心を得て、ドラコからハリーが忠誠心を奪っていたことから、ニワトコの杖の所有者はハリーになっていた。
ハリーはヴォルデモート卿を打ち破った。

19年後、ハリーとジニーは結婚。ロンとハーマイオニーは結婚し、それぞれの子供たちがホグワーツ魔法魔術学校に入学する。

10年にわたって作られた「ハリー・ポッター」シリーズ8作目にして、完結編。しかし大きな興奮、感動はなかった。スネイプはずっとハリーの敵であり、怪しい人物だった。ダンブルドアを殺したことで、彼が敵であることは疑う余地もなくなったが、お芝居だろうという直感を拭えなかった。ダンブルドアとスネイプの計画を見抜いていたわけではない。すなおに楽しんでいない自分に戸惑う。

ハリー・ポッターの勝利は、多くの大人たちによって準備されたものだった。それだけヴォルデモート卿が強いってことなんだけど、ここまで用意周到だと主人公としての存在意義が疑われる。ハリーに勇気がないとか、ただ突っ込むだけの簡単なお仕事とか揶揄するつもりはないが、その点を考えてくれてもよかった気もする。まぁ、そこを考えないところがハリーのいいところなんだろうけど。

子どもに魔王を倒せるはずがない。大人たちの支援が不可欠だ。

ダンブルドアとスネイプは死んだ。子どもたちを利用するつもりはなく、むしろ大人たちで決着をつけられないことを悔やんでいた。子どもたちに課せられた思いの大きさを、この映画はもっと描いてもよかったと思う。


ハリー・ポッター
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