レビュー  2013年11月20日  に発表された 

デッドライジング3 / DEAD RISING3 (PC)
DEAD RISING3

3ツ星

問題は1つだけ

『1』『2』を手がけた稲船氏が去って、完全な海外スタジオの制作となったが、シリーズのコンセプトを受け継いで、より派手に、より快適に、より痛快に進化を遂げていた。ストリートを埋め尽くす大量のゾンビに圧倒される。はじめは歯が立たないが、レベルアップして、武器を強化することで蹴散らせるようになる。最終的に到達する無双状態も、このシリーズならではの魅力だろう。
まぁ、ゲーム性の変更点や論評は他サイトにゆずるとして、私はやっぱりストーリーに注目しよう。

あらすじ(ネタバレ)

『1』から15年、『2』から10年後──。
ゾンビ化の特効薬は見つからず、アメリカ人はゾンビの危険と隣り合わせの日々を過ごしていた。感染者にはICチップが埋め込まれ、ゾンブレックスの投与と24時間監視が徹底された。

ロス・ペルディドスという街でアウトブレイクが発生。自動車整備士のニック・ラモスは逃げ遅れ、セーフハウスに戻ってきた。ディック、アニーといった仲間たちと協力しながら、脱出に必要な飛行機の修理部品を求めて街を駆け回る。

アニーは感染者だが、政府への不信感からチップを拒否し、そのため世間から蔑視されていた。しかしチップを埋め込まれていたのに発症したゾンビが見つかる。政府が意図的にゾンブレックスの投与をやめ、遠隔からアウトブレイクを起こした可能性がある。

ニックはゾンビに噛まれるが、ゾンビにならない特異体質であったことが判明。彼はカリートによってアメリカ全土に送り込まれた孤児50人の一人だった。そして彼の抗体からゾンビ化治療の特効薬が生成できることが明らかになる。

[ネタバレ]

事件の背後にはヘムロック国防長官がいた。ヘムロックは突然変異したキングゾンビを捕獲して大量破壊兵器にするつもりだった。マリアン所長は、意見の相違からヘムロックに始末された。その後、ニックによってキングゾンビは倒され、ヘムロックの野望は打ち砕かれる。ニックたちは脱出に成功した。

ヘムロックをそそのかしたのはカリートの妹、イザベラだった。当初は贖罪のため特効薬を研究していたが、いまは歴史に名を刻みたいという欲求が勝って、手段を選ばなくなっていた。このアウトブレイクは、抗体保持者であるニックを見つけるための仕掛けだったのだ。

おのれの欲望と肉体によって活路を切り開いてきた先々代(フランク・ウェスト)、先代(チャック・グリーン)に比べると、本作の主人公、ニックは影が薄い。彼自身が抗体保持者ではなく、抗体保持者を守るものであれば違っただろうが、そうするとチャックとかぶってしまう。しかしながら世界を救うため、家族や仲間を犠牲にするほどの覚悟もない。まぁ、仕方ないといえば仕方ないが。

抗体保持者が出てきたことで、一気に「よくあるゾンビもの」になってしまったが、イザベラの狂気がよかった。とはいえイザベラの動きはよく見えない。『デッドライジング2 CASE:WEST』(2010)でも触れる程度だった。ゾンビ化したまま理性を保っていたマリアン所長もあっけなく退場。この2人の女性になにがあったか、もうちょい知りたい。

アニーの正体はリアルで、残酷で、おもしろかった。うまい具合にからめている。それでいて『3』から入る人のためのガイドも充実している。「シリアスすぎる」「遊びがない」というレビューをよく見たが、『1』も『2』も真相はハードだった。

要するにニックのキャラクターが弱かったのだ。コミカルかつシュールな魅力があれば、緊張感をだいぶ吹き飛ばせる。フランクやチャックはほかのエピソードに乱入できるが、ニックは『3』の世界に限定される。主人公の影が薄い。問題はそれだけかもしれない。



Steam: Dead Rising 3 Apocalypse Edition

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