レビュー  1984年10月11日  に発表された 

北斗の拳 (テレビアニメ)(全109話)

3ツ星

まぎれもなく青春の1ページ

原作漫画が連載されたのは1983年から1988年だから、私が12歳から17歳まで。そりゃもう、夢中になって読んださ。「百烈拳!」と叫んで殴る。「シャウ!」と叫んで、雑草を手刀で切る。チョップするときは「岩山両斬波」、学生婦の背中を赤いチョークで切り裂いて「紅鶴拳」。いろいろやったなぁ。

アニメがはじまったのは連載翌年。人体破壊がシルエットで表現されたことに落胆した。当時は「子ども向けアニメだから」と思っていたが、よくよく考えると、内臓が破裂し、骨が砕ける様子を表現するのは技術的に困難だった。のちに『劇場版 北斗の拳』が公開されたが、やはり人体破壊はそれほど過激じゃなかった。漫画の精緻さを、アニメで表現するのは無理だったんだ。

当時、私は『北斗の拳』をハードSFアクションと認識していたから、ポップな色合いや、ふざけたナレーションに憤っていた。極めつけは「南斗人間砲弾」で、落胆のあまり、しばらく放送を見なかった。絵柄も安定せず、テンポも悪い。まれに作画が優れた回があるから、アタリが出ると喜んだ。当時はビデオデッキがなかったから、評判を聞いてから見ることはできなかった。

「もっとマジメに作ってほしい」と憤っていたが、ふざけた演出は増えていった。絶叫はブームになり、コサキンラジオで笑いのネタにされた。ついに原作漫画もふざけるようになった。ここに至り私は『北斗の拳』がハードSFアクションではなく、子ども向けの週刊連載漫画だったと気づく。

そう思うと、ふざけた演出に目くじら立てたり、放送を見逃して地団駄踏むこともなくなった。
私はちょっと、大人になってしまったようだ。

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北斗の拳 (テレビアニメ)(全109話)