うしおととら (全39話) Ushio and Tora

2015年 アニメ 3ツ星 ヒーロー モンスター:妖怪 ロードムービー 変身 学校 陰陽師

駆け抜けたねぇ

私は『うしおととら』の連載をサンデー誌上で読んでいた。1990-96年だから、19-25歳の出来事だな。高校生じゃなかったが、まっすぐな王道ストーリーに興奮したものだ。
このたび全ストーリーをテレビアニメ化すると聞いて、期待と不安が交錯したわけだが、ふたを開けてみれば良くも悪くもない出来栄えだった。『寄生獣 セイの格率 (全24話)』(2014)と同じ、原作の素晴らしさを再確認するアニメ化だった。

気になったのはうしおの平常時と、髪がのびて獣化した状態が同じに見えてしまったこと。漫画では髪で顔の上半分を黒く塗りつぶすことで「異質」を表現していたが、アニメは声で識別するため同一視してしまう。声の調子を変えるとか、エフェクトをかけてほしいところだが、後半は変身状態が長くなるから難しいか。

原作を忠実にアニメ化しているため、省かれたところは気づくが、新たな発見はない。個人的にはキャラクターを減らして、ドラマを掘り下げた方がいいように思うが、それはそれでファンの批判を浴びるだろう。いっそ全12話とかに圧縮すれば、大胆な解釈もあっただろうが、それじゃ本来の企画意図に反するか。

それからそう、白面の者に林原めぐみをキャスティングしたのは素晴らしかった。これはアニメ独自の解釈であり、驚くほどハマっていた。これだけでも見てよかったと言える。

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