レビュー  2015年07月03日  に発表された 

乱歩奇譚 Game of Laplace (全11話)
Rampo Kitan: Game of Laplace

4ツ星

消化不良でしたね

江戸川乱歩の作品群を原案にしているが、名前やイメージをちょっと借りているだけ。しかしこういう切り口は楽しい。江戸川乱歩は2016年にパブリック・ドメインに入るのに、なぜ待てなかったんだろう? 遺族や出版社にいくらか払うんだろうか?
驚いたのは劇中に「ラプラスの悪魔」についての説明がまったくないこと。「ラプラスの悪魔」はそれほど有名とは思えないが、当然知っている人たちがターゲットなんだろうか? まぁ、中学生が市販のパソコンで決定論を算出できるのだから、深く考えても意味ないか。

もしもある瞬間における全ての物質の力学的状態と力を知ることができ、かつもしもそれらのデータを解析できるだけの能力の知性が存在するとすれば、この知性にとっては、不確実なことは何もなくなり、その目には未来も(過去同様に)全て見えているであろう。

『確率の解析的理論』1812年

コバヤシの視点では、興味のない人物が影になる演出はおもしろかった。アケチ視点でデッサン人形になるのもいい。しかしナミコミ視点でドクロになるのは納得できない。すべての人間がドクロ、もしくはすべての人間が詳細に見えるくらいの差がほしかった。ナミコシはサイコパス(精神病質)と思っていたが、虐待された過去で価値が損なわれた。ステレオタイプにすぎる。

コバヤシ君は素晴らしい。中性的な外見だけでなく、ぶっ飛んだ性格と、人情に惑わされない知性に惚れた。親友ハシバが影に見えたときは興奮したので、終盤は拍子抜けだった。ビルからダイブするくらいじゃ、コバヤシ君の心を変えられるとは思えない。ずっと常識人だったハシバは、コバヤシのため人を殺すとか、片目を失うくらいの狂気を見せてほしかった。

ニコニコ動画で見た座談会によると、制作期間が極端に短かったようだ。練り込み不足も、まぁ、仕方ないかもしれない。

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乱歩奇譚 Game of Laplace (全11話)