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[レビュー2014年01月01日に発表された 

空の霊柩車 / SHERLOCK シャーロック(S3E1)

SHERLOCK - The Empty Hearse

大事なことは言わない

あらすじ

シャーロックの「自殺」から2年──。シャーロックはモリアーティの組織を壊滅させるべくセルビアに侵入していたが、マイクロフトの要請でロンドンに帰還する。しかしジョンは連絡がなかったことに怒り、シャーロックを殴る。
地下鉄の監視カメラの映像から、モラン卿が地下組織に関係していると推測。シャーロックとジョンは追跡の末、爆弾を積んだ車両を発見、停止に成功する。後日、シャーロックはアンダーソンに偽装自殺のからくりを教えるが、アンダーソンは納得できずにいた。

『空き家』(the Empty House)をもじって『空の霊柩車』(The Empty Hearse)とは、よく考えたもんだ。本作のポイントはシャーロック・ホームズの帰還であって、モラン卿によるテロなんかどうでもいい。しかしシャーロックの態度は最悪で、ジョンの言い分はもっともだから、喧嘩と半目が起こる。多くの視聴者は、シャーロックがどうやって死を偽装したか、その方法ばかり考えていたが、ジョンはなぜ連絡しなかったかを問題視した。この落差がたまらない。

シャーロックはモリーを助手にするが、しっくり来ない。ワトソンはメアリーに集中するが、メアリーがワトソンの機微に気づく。シャーロックにとって親友の存在はあまりに大きく、マイクロフトが心配する。そしてもう1人、シャーロックの変化に気づく男(マグヌセン)がいると、ほのめかされる。
シーズン3はメアリーを軸に描かれている。メアリーがシャーロックを気遣い、シャーロックがメアリーを守ると決め、それを実行する。さまざまな前兆があるが、初見はもちろん、1本だけ見てもわからない。シーズンを見直すことで新たな発見があるなんて、うまいというか、ずるいというか、マニア殺しの構成だ。

偽装自殺したのはワトソンやハドソンさんを巻き込まないためだが、シャーロックはまったく説明しない。ジョンも、なぜ連絡しなかったと怒ったくせに、説明を聞かずに和解する。なんというか、照れちゃうくらいのコンビだよね。

ホームズとモリアーティはできてたと言う仮説
※ホームズとモリアーティはできてたと言う仮説

ラスト、シャーロック本人によって偽装自殺のカラクリを説明されるが、アンダーソンは釈然としない。これだけ引っ張って、これだけ説明しても、なお謎を残すところがうまい。謎の解明と、永遠の議論を求めるシャーロキアンらしい。

いやはや、うまいというか、ずるいというか。

シャーロック・ホームズ
-1970s
1980s
新シャーロック・ホームズ
2000s
2010s
ハリウッド版
BBC SHERLOCK
ゆっくり文庫

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