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[レビュー2015年11月21日に発表された 

劇場霊

こいつぁ、すげぇ

「伝説のJホラー『女優霊』から20年ぶり...」とか宣伝されたけど、劇場に染み付いた怨念とかじゃなくて、人形が襲ってくるモンスターホラーだった。しかもつまらない。ドールは安っぽく、動きはわざとらしい。幻覚を見せたり、怪力で惨殺したり、キスしてエナジードレインなど、能力には一貫性がない。ぼんやりした由来は語られたけど、人形作家の娘たちを惨殺した理由も、20年を経て活動を再開したキッカケもわからない。そもそも劇場用ドールじゃないし、「血の伯爵夫人」とも関係ないし、主人公を狙っているわけでもない。わざとやってるのかと思うほど、モンスター造形が足りない。

主人公は善良だが、空気を読まず、直線的な言動ばかり。そんな低い知能じゃ、女優をつづけるのは無理だろう。しかしラストで主人公は成功を掴んでいた。自分にかけていたもの、すなわち身売りする覚悟ができたのだろう。まぁ、モンスターと戦うことを思えば、偉い人に媚びるくらいなんでもないか。ドラマ要素が、かえって後味を悪くしている。

思えば20年前、『女優霊』はハリウッド・モンスターと一線を画すから注目され、ジャパニーズ・ホラーと持て囃された。その仕掛け人である中田秀夫監督がハリウッド・モンスターの映画を撮って、それをジャパニーズ・ホラーと宣伝し、おまけにツマラナイのだから、もう、言葉もない。

映画単体で見れば★2つくらいだが、ジャパニーズ・ホラーに与えた影響を思うと、★1つにせざるを得ない。こいつぁ、ひどいわ。

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