レビュー  2014年01月05日  に発表された 

三の兆候 / SHERLOCK シャーロック(S3E2)
SHERLOCK - The Sign of Three

5ツ星

「いや、新しい時代がはじまるんだ」

初見の感想

『ベルグレービアの醜聞』の経験から、冒頭でレストレード警部が追っていたウォーターズ一味が重大な意味をもつと思っていたが、スカされた。やられた。
結婚式のスピーチを通して2つの事件を語り、しかも真相が明かされないまま進むことに驚くが、1つの気づきで、いまから起こる殺人を食い止めるという展開は白眉だった。ショルトー少佐にジョナサン・スモールか。うまいこと考えたなと感心した。
ドアを開けたショルトーが「医師に見てもらったほうがいいようだ」と言い、「ここにおります」と答えるジョンがかっこよかった。

2度見た感想

シャーロックは変質者:シャーロック・ホームズは心理洞察に長けた名探偵(ヒーロー)ではなく、本人も言うとおり「高機能社会不適合者(High-functioning Sociopath)」だった。ジョンに親友と呼ばれて、凍りつく。空気を読めず、決めたことを最後までやろうとする。メアリーの友人を笑顔で脅迫し、子どもに死体の写真を見せて言うことを聞かせる......。オチがないのは、オチが必要と思ってないから。人々の興味がどこに向くかより、自分が言いたいことを言ってるだけ。ユーモラスに見えるけど、本気でやばい人だった。

個性的なメアリー:そしてメアリーの機微に感心する。メアリーはいわゆる美女ではないが、男たちの友情をよく理解し、戦う男を誇る感性をもっている。唐突な登場に驚いたが、いいキャラクター。比べると、ハリウッド版『シャーロック・ホームズ』のメアリーとワトソンはきわめて浅い。ショルトー少佐と親しく話すジョンに苛立つシャーロックに、メアリーは「私もあなたも、彼の初めての人じゃないのよ(Oh, Sherlock! Neither of us were the first.)」と笑う。なかなか言えないセリフだ。
お気に入りはここ。

ショルトー少佐は自分が狙われていると知って、部屋に鍵を掛けて立てこもる。シャーロック、ジョン、メアリーは出てくるように説得するが、ショルトー少佐の決意は固い。そのとき...

ショルトー少佐「報道とちがって、人を巻き添えにするのは嫌いでね。」
M「解いて...」
S「なに?」
M「解けば少佐は出てくる」
S「このまえ解けなかったのにか?」
M「いまなら解けるわ」
S「なに言ってる? わけのわからないことを!」
J「いや解ける!」
S「変わったな!」
J「変わってない!
 きみに火をつけるのはパズルじゃない。ドラマなんだ!
 少佐に死が迫ってる! ゲームは始まった!
 謎を解け!」

シリーズを何度も見た感想

これはシャーロックの精神が変化するエピソードであり、シーズン3フィナーレに欠かせないステップだった。親友を得て喜ぶシャーロックに、マイクロフトは「深入りするな」と警告する。結婚したジョンはふつうの人になり、シャーロックは孤独になると思ったからだ。しかしシャーロックは覚悟した上で、3人のために能力を使うと決めた。ゆえにこっそり、独りで去った。不器用だけど、かっこいい。


※マインドパレスで仮想人格に尋問する

本作において「マインドパレス(精神の宮殿)」の表現は進化する。ホールに集められた関係者たちは、シャーロックの脳内で再現された疑似人格だが、会話できる。最初は意味がわからず混乱したが、わかってみるとおもしろい。制作者も気に入ったのか、この表現は今後多用されていくが、私は本作くらいの使われ方が好きだった。

初見のときはフツーだったが、何度も見返すことで楽しくなって、評価がアップした。ほんと、うまくできてる。


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三の兆候 / SHERLOCK シャーロック(S3E2)