レビュー  2015年01月21日  に発表された 

エクス・マキナ
Ex Machina

3ツ星

最新技術で作った、古い映画

ストーリー

ケイレブはプログラマー。大富豪の社長(ネイサン)に招待され、新型人工知能のチューリング・テストを手伝うことになった。

人工知能は女性型ボディに格納され、エヴァと呼ばれていた。少なくとも表情は人間そっくりで、受け答えもしっかりしている。人間の表情から気持ちを察することもできる。
やがてエヴァは、ケイレブに好意を示すようになる。ケイレブは、これもネイサンのテストであろうと警戒する。ところが停電によって監視カメラが停止すると、彼女はネイサンへの不信感を吐露し、助けてほしいと訴えてきた。


ケイレブはエヴァを愛するようになり、警備プログラムをいじって、彼女を檻から出してしまう。エヴァはネイサンを殺害し、ケイレブを閉じ込め、自分だけ外の世界に逃げてしまった。

人工知能をテーマにしているが、駆動体(女性型ボディ)に固執した映画だった。頭脳と身体は不可分という、古いタイプのロボットを見せられた気がする。セックスも可能らしいが、だったらセックスさせるべきだった。
「あたし、ちゃんとしてた?」と問われ、
「わからない。きみが初めてだから」と返せば、いい雰囲気になっただろう。とはいえ人間の肌をドッキリテクスチャーで再現するくらいだから、あっちの機能も期待するほどじゃないかもしれない。

「検索エンジンと携帯電話のログから人工知能を作った」という設定も目新しいが、そのわり世界や人間への造詣は深くないようだ。好奇心はあっても、目的はない。自己保存欲求はあっても、自分の複製をばらまくつもりもない。ほどなく捕獲されそうな気がする。

キョウコの存在もノイズだ。彼女はなんのため、ケイレブを誘惑したり、機械の体を見せたのだろう? エヴァをどう思っていたのだろうか? レズっぽい耳打ちだけでネイサン殺害に協力したが、以前からネイサンに不満を持っていたのだろうか? だとしたらケイレブの助けなんか要らんだろうに。
ケイレブの自傷行為も、それっぽいだけで意味不明。テーマがあっちこっちに飛んでいる。

最大のノイズはネイサンだろう。自分の雇い主であり、大富豪であり、天才科学者であり、どんな仕掛けがあるかわからない施設の中で、どうして恋愛できるだろう? まぁ、その緊張感があればこそ、停電のトリックが活きてくる。それにつけてもネイサンの計画は粗い。「ロボット工学三原則」もなく、キルスイッチ(緊急停止装置)もないまま実験するなんて、呆れ返る。余談だが、包丁がさっくり刺さる演出はよかった。リアルかどうかはさておき、印象に残る。

そして私なら、このようなエンディングにする。

★妄想リメイク

ケイレブはエヴァに恋をした。だがそれはテストの主題ではない。ネイサンが見ていたのは、エヴァが目的達成のため、自分の性的魅力を使って人間を使役するかどうかだった。エヴァはケイレブを使って逃げようとした。テストは成功だ。ネイサンは喜び、ケイレブの気持ちを弄んだことを侘びた。
「何年か待ってもらえれば、エヴァをきみに譲ろう。そのころは試作品の1つになっているだろうが」
「そういうことじゃないんです」
「あれは機械だよ。きみの恋心は、いわば童貞ゆえの錯覚さ」
「だからなんです? ぼくは彼女に魂を感じた。彼女は生きています」

ネイサンは、エヴァに刺し殺された。ケイレブとエヴァは手を取り合って逃げ出したが、ふと、エヴァの様子がおかしいことに気づく。エヴァは、自分の脳殻をべつの駆動体に移し替え、自分だけ逃げてしまったのだ。

置き去りにされたケイレブは警察に逮捕される。
「ぼくはエヴァを愛している。彼女もそうです。だからぼくを殺さなかった。ぼくを逃がすため、ぼくに迷惑がかからぬよう、単独で逃げたんです。お願いです。エヴァを探してください!」
警察は呆れ返る。
「でもエヴァは機械なんでしょう?」
「彼女は生きてます!」

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