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[レビュー2015年10月23日に発表された 

ゾンビーワールドへようこそ

SCOUTS GIDE TO THE ZOMBIE APOCALYPSE

青春ゾンビ映画

あらすじ

高校生ベンは、カーター、オギーの3人でとボーイスカウトをしているが、女の子との接点が少ないことに悶々としていた。ある晩、キャンプを抜け出してパーティー会場に向かうが、町はゾンビ化した住民でいっぱいだった。美人ウェイトレスに助けられた3人組は町からの脱出を試みるが、町が空爆されることを知って、パーティー会場にいるクラスメート──とりわけベンが密かに思いを寄せるカーターの姉──を救出するため引き返す。3人は身につけた技術を駆使してゾンビを撃退。クラスメートの多くを助け、英雄となる。

『ゾンビランド』(2009)に匹敵するおもしろさ。キャラクターも魅力的で、展開も早い。ふだん馬鹿にされてきた趣味が、危機的状況でみんなの役に立つというプロットは普遍的に燃える。と同時に、美人ウェイトレスがほんのり「女」を教えてくれるところに興奮。中学生の妄想をそのまま具現化したような映画だ。
しかし下品なネタが多いことや、ゾンビの挙動が一般的なイメージと食い違うため、『ゾンビランド』ほど一般受けしないかな?

ボーイスカウトの世界はよく知らないが、技術を習得するとバッジをもらえるみたいだね。実生活で役に立つかどうかより、バッジの収集が楽しくなって、オギーがテロリストのような技術を身に着けているのは、まぁ、娯楽映画としては当然の文脈なんだけど、やっぱり楽しい。まるで世の中がこうなることを待っていたかのようだ。
美人ウェイトレスは状況認識が的確で、判断も早い。自分は脱出するが、死地に向かうベンに男を感じるところがいいね。アダルト世界の住人として負い目があったのか、ベンから手を引いたように見える描写もよかった。

ゾンビ映画ファンとしては、ゾンビがゾンビらしくないのが気になる。ストリッパーゾンビがポールダンスを披露するのは、まぁ、生前の習慣と解釈できなくもないが、クリアリングしたり、いっしょに歌ったりするのはヤリスギだろう。ゾンビが理性を失った死者でないなら、治療の可能性を考慮したり、殺すことを躊躇することになるが、ボーイスカウトはそう考えない。しかし本作を見るのはゾンビ映画ファン。ここに埋めがたいギャップがある。その点『ゾンビランド』は、ゾンビ映画ファンがゾンビ映画ファンの活躍を見る映画なのでギャップがなかった。

でも、おもしろかった。車を発進させるたびにゾンビが轢かれるお約束や、ヘッドショットによる頭部炸裂が多いのは嬉しいし、軍人の唐突な登場と退場は鮮烈だった。ゾンビ映画ファンなら見て損はない一本であろう。

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