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[レビュー2018年10月11日に発表された 

The MISSING - J.J.マクフィールドと追憶島

The MISSING: J.J. Macfield and the Island of Memories

ゲームしながら小説を読むような

 「LIMBO」(2010)「Deadlight」(2012)「THE CAVE」(2013)「Woolfe」(2015)「INSIDE」(2016)などでおなじみとなった2.5Dの横スクロールアクション。画面が高精細で、ズームイン/アウトや天地逆転など、細やかに進化している。

美少女をバラバラにする愉しみ

 本作最大の特徴は、プレイヤーキャラクターが死なないこと。焼けても、感電しても、バラバラになっても死なない。首だけで移動したり、四肢を投げて突破する関門もある。ボタン1つで復活できるが、頭部を破壊されるとゲームオーバー。リトライとなる。

 バラバラになるプレイキャラクターは、「J.J.」と言う名の女子大生。すらりとしたモデル体型に、ふわふらの衣装、ふわふわの髪。アクションに不向きだが、まぁ、美しい女体を何度も破壊できることに興奮する人は、決して少なくないだろう。

予想外のテーマだが...

 リアリティ無視のメルヘンワールドだから、「ふしぎの国のアリス」のように、年齢を下げたほうがいいと思っていた。ところがゲームが進行すると、「J.J.」自身にも秘密というか悩みがあって、それを描くための年齢設定だったとわかる。メルヘンワールドにも説明がついて、なんだかイイ話に思えてくる。

 と思ったが、やっぱり妙な気分。世界が変わらずとも、自分を肯定できればいい。それはわかるんだけど、そうした変化をゲームで表現できていただろうか? そもそも「J.J.」は、どれほど苦しんでいたというのか? 彼には友人がいて、恋人もいる。貧乏ではなさそうだし、健康で、容姿についての悩みもないだろう。母親に理解してもらうことも、絶望的とは言えない。恵まれた悩みに見えてしまう。まぁ、悩みの大きさなんて比較できないけどさ。

 メルヘンワールドに、彼の恐怖や葛藤を象徴するものを入れてほしかった。ストーリーはラインチャットで進行するため、ゲームが浮いてしまっているのだ。クライマックスで、自分が怪物になって恋人を傷つける展開も、拒否という選択肢はない。やらなければ進まないから、やる。ストーリーとゲームが分離しちゃってる。

 この作品は、すべての人々が自分自身であることを否定しなくて良いという信念のもとに作られています。

 内面を表現するとグロテスクになる。悩む当人にとってはグロテスクだが、悩む人を愛でたい人は、そこまで見たくない。トランスジェンダーが性器の扱いに困るとか、相手に性の喜びを与えられないことを恥じるとか、そうしたことは相談されても困る。「自分を否定しなくていいんだよ」という、なんの解決にもならない言葉を吐いて、気持ちよくなりたい。そんなエゴが見えてしまい、気持ちが萎えてしまった。
 ま、そこまで考えるゲームじゃないけどさ。



Steam: The MISSING: J.J. Macfield and the Island of Memories

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