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[レビュー2017年01月11日に発表された 

けものフレンズ (全12話)

Kemono Friends

本当の愛はここにある

第1話の印象はよくなかった。サーバルの声はへんだし、挙動は不可解だし、世界観もわからない。CGアニメだがクオリティは高くない。輪郭はふにゃふにゃ、目線はうつろ、動きもぎこちない。「こんなんで大丈夫か?」と心配になったが、つづけて見るとおもしろくなった。

少しずつ明かされるパークの現状、かばんちゃんの正体、そこから類推される人類の未来──。無茶苦茶な設定も多いが、こういうのは好き。背景を手書きにすることで、いくつもの「ちほー」を渡り歩くロードムービーに仕立てたのもよい。ありそうでなかった形式だ。かばんちゃんがどんな解決策を示すか、先んじてあれこれ予想したが、ぜんぜん当たらなかった。人間ってすごいや。
舞台が変わり、いろんなフレンズと知り合う中で、サーバルが知恵を、かばんちゃんが勇気をもつ展開も感動的だった。

不満もないわけじゃない。フレンズの性格や能力にも疑問はあるが、なにより「セルリアンに食べられたらどうなるか」を明示してほしかった。おそらくフレンズが動物に戻って、会話不可能になると思われるが、その様子をサーバルは見たことがあるんだろうか? 悲劇の演出や、緊張感を高める必要はないが、もうちょい具体的に見せてもいいじゃない。
後半はサンドスター・ロウ、四神の効果もわかりにくい。ついでに言うと、ミライさんと旧サーバル、そしてラッキービーストの関係は、もっと明かしてほしかった。サーバルちゃんの涙でごまかされちゃったけど。

でも、まぁ、ジャパリパークのほんとにすごい。動物を擬人化すると、「彼らはなにを食べているのか?」という疑問にぶち当たる。「ジャングル大帝」や「ズートピア」でも明かされなかったが、本作は「じゃぱりまん」で解決している。じゃぱりまんは、だれが、どこで、なにから作っているのか? 博士たち、ライオン、カバは料理も食べているが、排泄するのか? 衣服の概念がないまま生活するなんて可能なのか? フレンズたちは飢えることも、縄張りを争うこともない。だからこそ互いの異なる点を素直に尊重できる。ここまでしないと「本当の愛はここにある」とは言えない。人類には到達し得ない理想郷だ。

おもしろかった。

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