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[レビュー2017年02月11日に発表された 

相棒 -劇場版IV- 首都クライシス 人質は50万人! 特命係 最後の決断

Aibou: The Movie IV

自分の国を、「この国」を蔑むむな

 テロリストの人質になった美少女の生存が確認されるくだりは『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』(2002)第13話「≠テロリスト NOT EQUAL」を、ウィルスと電波撹乱によって組織が機能しなくなる展開は『機動警察パトレイバー the Movie』(1989)、『機動警察パトレイバー 2 the Movie』(1993)、戦争の犠牲者がテロリストになる設定は『ピースメーカー』(1997)を彷彿させる。それらをちゃんぽんにして、そのどれにも達してない。

 皮膚から毒物が入ったのに、同時刻に倒れる不思議。
 それを食中毒と見誤る医療体制の不思議。
 瑛里佳がテロリストと共謀している可能性を見逃す不思議。
 画像ファイルを送受信するだけでPC、スマホ、電話回線までダウンさせるウィルスの不思議・・・。

 挙げればキリがない。すべての障害を突破していく杉下右京。足を引っ張る上司、同僚たち。もうね、これがヒーローなんですかねぇ。

プロパガンダ映画

 『相棒』の劇場版らしく、本作も徹底的に日本を侮辱している。日本は悪いことをした。その罪は精算されてない。テロリストの手段は悪だが、思想は正義。登場人物は日本のことを「この国」と呼び、こき下ろす。とことん日本ヘイト。さすがテロ朝。

 映画の中で、かつて日本軍は南方を侵略し、多くの原住民を苦しめた・・・みたいなシーンがあるんだけど、米英が原住民を解放するため戦っていたと言うのか? なぜ原住民が日本兵を支援したのか? 復員の難しさを踏まえたうえで、日本を70年以上も憎むことに、理や情があると言うのか? そのへんを突っ込まれないよう、細部をぼかしている。ずるい脚本だ。

 「隠蔽された真実」という名の虚構──。

 「戦争を教えない」「語らせない」「考えさせない」を徹底して、娯楽映画で体制への批判精神を植え付ける。これはもう侵略といっていい。

 あと警察組織への侮辱もすごい。上から下まで無能かつ無責任で、腐敗しきってる。なぜ日本のテレビドラマは警察組織を悪く描くんだろう? 警察への不信感を植え付けるためとしか思えない。

 『相棒』シリーズはずっと見てきたが、ほんと、つまらなくなった。

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