BLAME! (劇場アニメ版) BLAME! (Movie)
2017年 アニメ 3ツ星 SF SF:新人類 ロボット:自律型 文明崩壊後 電脳おもしろいが、もっとできたはず!
まず、声がいい。霧亥(櫻井孝宏)もいいが、やっぱりサナカン(早見沙織)にしびれた。「漫画を読んでいたとき脳内で聞こえていた声は、これでしょ?」と言わんばかりのフィット感。たまらない。そしてシボの身長と足音もそそる。偽装ネット端末遺伝子の筐体を軽々持ち運ぶ姿もすてき。いい。じつに、いい。
ストーリーはうまく再構成されている。人間らしくない霧亥視点から、村娘(づる)視点に置き換えたのは正解だ。西部劇のような雰囲気も、親しみやすい。
しかし無駄な会話、無駄な間が多い。同じ質問を繰り返したり、明らかな脅威にまごついたり。二度三度見ると、そうした無駄が気になってしまう。映画の尺にあわせるため、脚本を水増ししたんだろうか?
自動工場に向かう15ブロックの旅も物足りない。たとえば宮﨑駿の漫画『風の谷のナウシカ』で、ナウシカが蟲使いたちと現場に向かうシーンは、装備の重さ、ペース配分などが描写され、リアルだった。
この時代の人々はどうやって都市を歩くのか? 数日かけた遠征なんて、電基漁師たちでも経験が乏しいだろう。オリジナル解釈も含め、そうしたところを肉付けしてほしかった。
※「大地って何だ?」
2006年のOVA版につづき、今回も「大地って何だ?」という衝撃のセリフがなかった。霧亥がダメなら、づるに言わせればいいのに。BLAME!世界を象徴する名台詞なのに、もったいない。
ただ、シャキサクの翻案はおもしろかった。
弐瓶 勉
- 2006 BLAME ! (全6話) ... 建物を出せ!
- 2017 BLAME! (劇場アニメ版) ... もっとできたはず!
- 2014 シドニアの騎士 (第1期-全12話) ... 本格SFがはじまった!
- 2015 劇場版 シドニアの騎士 ... 総集編。
- 2015 シドニアの騎士 第九惑星戦役(第2期-全12話) ... ますます楽しみ!
- 2021 シドニアの騎士 あいつむぐほし ... 急に終わった!