大女優殺人事件 鏡は横にひび割れて (アガサ・クリスティ二夜連続ドラマスペシャル) The Mirror Crack'd from Side to Side
2018年 日本ドラマ 3ツ星 探偵 @アガサ・クリスティロボット刑事はお呼びじゃない
あらすじ
往年の大女優・綵まど香(黒木瞳)の屋敷で開かれたパーティーの席上で、屋敷の前の持ち主である中年女性が毒殺された。捜査を担当する相国寺竜也警部は、事前に毒を溶かしてあったこと、まど香が飲むはずのグラスに毒が入っていたことから、まど香を狙った計画殺人と推理した。
「パディントン発4時50分」同様、本作にも無能な同僚刑事が登場する。高圧的な態度で捜査現場をかきまわすが、反省するわけでも、更迭されるわけでもない。どーしてこーゆー無能キャラを混ぜるんだろうね。
溶けるのに時間がかかる毒=事前の準備=計画殺人という推理はおもしろい。原作は衝動殺人であり、それが本作の根幹部分だから、どうやってツジツマを合わせるんだろうと思ったが、「殺すため計画したが、衝動的に実行した」というウルトラ屁理屈が飛び出した。原作ファンを混乱させるための罠。どうしてこーゆーことをするのか。
ミス・マープルの代わりとなる相国寺竜也警部は、人間の感情に興味を示さず、証拠を機械的に分析するタイプ。そんな人物に、この犯罪を暴いてほしくない。「そして誰もいなくなった」は傍観者だからよかったものを、なぜ本作に引っ張ってきたのか。不可解極まる。
そしてラスト。旦那はべらべら妻を美化するが、ウェディングドレスを着て、花を並べ、ポーズを決めてから自殺したなんて信じがたい。そこまで妻は自意識過剰だったのか、旦那が妻に罪をかぶせているのか。事件への興味を失っていたので、どっちでもいっか。
本作は原作と同じく3人の養子が登場する。意味ありげにテレビに映っているが、なんの意味もなかった。どうでもいいところは原作に忠実、根幹部分は考えなく破壊。翻案の理念がわからない。
私は原作小説のファンだから、ドマラ化されたことはうれしい。うれしいが、もうちょい考えて作ってほしかった。
アガサ・クリスティ | |
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ポワロ | |
デビット・スーシェ (David Suchet) | |
ピーター・ユスティノフ (Peter Ustinov) | |
声:里見浩太朗
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ミス・マープル | |
マーガレット・ラザフォード | |
アンジェラ・ランズベリー | |
ヘレン・ヘイズ | |
ジョーン・ヒクソン | |
ジェラルディン・マクイーワン | |
ジュリア・マッケンジー | |
声:八千草薫
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ゆっくり文庫 | |
奥さまは名探偵 | |
ほか | |
検察側の証人 | |
そして誰もいなくなった | |
ほか |