ボヘミアン・ラプソディ Bohemian Rhapsody

2019年 外国映画 3ツ星 実話に基づく

クイーンと同じ時代を生きた人たちへ。

私はクイーンをぜんぜん知らなかった。フレディがゲイと知らないから、駐車場で男の股間をじっと見る意味に気づかなかった。女性OKと知らなかったから、和解エンドにも首をひねった。エイズで亡くなったことも、ライブエイドも知らなかった。
もちろんクイーンの名前は、漫画や映画で何度も見ている。曲も(ちょびっと)知っている。つまり外国人バンドに興味がなかった。だからフィクションと思って鑑賞した。

鑑賞後はクイーンを調べた。だれが実在の人物で、映画とどう違うか。ライブエイドの比較映像も見た。あらためて曲も聞いた。これまで意識してなかったクイーンが身近になった。なるほど、クイーンを知るキッカケにはなった。

映画は事実に基づいているが、いろいろ脚色されている。しかしフィクションとして、おもしろさを追求していない。目的は、「クイーンと同じ時代に生きた」「かつてこんな熱狂があった」と、リアルに体感してもらうこと。キーになるのが、ライブエイド。あそこまで尺を取って、あそこまで再現したのは、ライブエイドの映像こそが多くの人の記憶をプッシュするからだ。

記憶をプッシュする。だから映画としての完成度は高くない。演出が行き届いていない。映画だけ見ても、あまり楽しめない。鑑賞中はいかがなものかと思ったが、現実の記憶をリンクさせると、おもしろくなった。映画は、現実で起こったことのダイジェストみたいなものか。

不思議な映画だった。

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