第11夜:蜘蛛の糸 dream11
2007年 夢日記気がつくと、天空のハシゴに引っかかってた。
風がびゅーびゅー吹いてて、夕陽がまぶしい。
眼下には大海原が広がっている。かなり高い。飛行機の窓から見下ろすような高さだ。ハシゴが海に届いてるんだろうか。
上空には巨大な円盤が浮かんでいる。
これまた半端じゃない大きさだ。平べったい銀色の円盤で、直径数キロはありそう。ハシゴは円盤のふちから伸びているようだが、遠すぎてよく見えない。
……天と海をむすぶハシゴに、私はぶら下がっていた……。
(なんで、こんなところに?)
頭がガンガンして、よく思い出せない。
たぶん、私はあの円盤から落っこちだのだ。そのまま海に落下するところを、運良くハシゴに引っかかった。
なんたる幸運! ふつうは助からない。
……ちがう、そうじゃない。
私は円盤から、誰かを突き落としたんだ。
前髪をリーゼントした男と争っていた。生死に関わる状況だった。私はハッチを開け、リーゼント野郎を足でぐいぐい押し出した。足の裏にその感覚が残ってる。あいつが落ちたとき、私の袖口がつかまれ、ふたりとも真っ逆さまに……。
(リーゼント野郎はどこ行った?)
きょろきょろ周囲を見てみたが、なにもない。ハシゴの上にも下にも……少なくとも見える距離にはいない。ということは、リーゼント野郎は海に落ちたんだな。
この高さでは助かるまい。
ふと前髪が気になった。
(あれ? リーゼント……)
なんてこった。私自身がリーゼント野郎だった。つまり「私」に蹴落とされた方だ。よく見れば、ワイシャツに蹴られたアトも残ってる。てことは、海に落ちたのは「私」か?
◎
もうすぐ日が暮れる──。
夜になったら、寒そうだ。ハシゴを登って円盤に帰りたいけど、身体が痛くて動けない。ちょっとは登れるだろうけど、それで景色が変わるわけでもあるまい。
かといってハシゴを降りるのはイヤだった。
なぜって、ハシゴの途中に「私」の死体が引っかかってそうだから。死体を見たら、自分が死んだことが確定してしまう。だから見たくなかった。
とはいえ、このままハシゴに掴まっていても、やがて力尽きてしまう。
どうしよう……。
◎
という夢を見た。
通勤電車でiPodを聴きながら寝ると、いろんな夢を見る。