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[創作] 2008年10月07日(火)に書いた夢日記

第24夜:爆弾劇場

第24夜:爆弾劇場

《お配りした指輪は、1分に1個ずつ爆発します》

 黒いスクリーンに白い字幕。手書きのような字幕フォント。
(どういう意味だろう・・・?)
 観客席で私は、次の変化を待った。

《現在、全世界に指輪をはめた観客が150万人います》

 指を見ると、金色の指輪がはまってる。
 『ロードオブザリング』に出てきた"1つの指輪"に似ている。劇場の入り口で配っていたから、ここにいる観客全員が指輪をはめている。全世界でみると、私は150万分の1だな。

《指輪は外せません》

 試してみると、たしかに抜けない。指輪は指に接していないのに、びくともしないのだ。
(むむ、こりゃ、どういうわけだ?)
 悪戦苦闘していると、周囲の客は指輪をいじっていないことに気づく。ばつが悪いので、私もおとなしく映画を観ることにした。

 そのとき、2階席でバシュッと音がした。
 見上げると、席が1つ消えている。爆発した瞬間、エネルギーが内向きに縮退して、空間ごと消失してしまったようだ。うっすら煙が立ち上っているが、両隣の席に影響はない。

《上映開始から、7分が経過しました》

 スクリーンに新しい字幕が表示される。
 タイミングが絶妙で、席を立てない。上映中の移動は迷惑だから避けたいし、私はクレジットロールが終わるまで席を立たない主義だ。
 ・・・って、そうじゃない! 人が爆発してるんだぞ!
 これはフィクションじゃない!

《指輪は、指のサイズによって伸縮します》

 1分経った。世界のどこかでまた1人爆発したのだろうか? 次の爆発は自分かもしれない。爆発したら、あっと思うまもなく消えてしまう。早く席を立たなければ!
(しかし......席を立ってどうする?
 劇場を出たら爆発するかもしれないし、もう少し映画を見れば、指輪を外すヒントが出てくるかもしれない......)
 重力に抗しきれず、ふたたび腰を下ろしてしまう。
 待てば待つほど死ぬ確率と、助かる確率が高まっていく。

《この映画は147分です》

 誰も席を立とうとしない。そういう自分も座ったままだ。
 みんな、ピンチを認識しているんだろうか?
 いや、他人は関係ない。自分がどうするかだ。

 私は席を立って、劇場後部にあるドアに向かった。背をかがめ、ほかの客の迷惑にならないように小走りする。そして赤いドアの前で凍り付いた。
(ドアを開けても大丈夫なのか?)
 考えても仕方ない。イチかバチかだ!
 あごを引っ張られるように、私はスクリーンをふり返った。

《どうか落ち着いてください》

 ひ、非常にヤバイ!

 という夢を見た。
 最近は似たような夢を連続して見ている。なんか意味があるんだろうか?

 まじめに考えると、現実と字幕がリンクしている保証もない。それらしい説明をうのみにしているだけだ。私は指輪が爆発したところを見ていないのだから。

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